液層分離を前提とした返血側エアートラップチャンバ形状の検討

「要旨」:CRRTにおいて返血側エアートラップチャンバ(venous chamber:VC)は, 血液滞留時間が長く, かつ空気接触があり凝固が多い部位である. 当院ではその対策としてVC液面を高く管理し血液と補充液間での液層分離を行っているが, 数時間に一度のVC液面調整を必要とし安定性は低い. 今回, 6種類のVCを用いて液層分離条件をin vitroで評価し, 安定した液層分離が可能なVC構造を検討した. また, VC構造の違いによる滞留評価を行った. その結果, 液層分離の形成条件は血液流入口が補充液流入口より下部に留置, かつ液面を補充液流入口より上部で管理することであった. 両条件...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本急性血液浄化学会雑誌 2023-12, Vol.14 (2), p.126-130
Hauptverfasser: 西村優一, 本田陽平, 宇田川彩花, 田代嗣晴, 金子尚樹, 大和田玄, 木村康宏, 七尾大観, 藤本潤一, 西澤英雄
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」:CRRTにおいて返血側エアートラップチャンバ(venous chamber:VC)は, 血液滞留時間が長く, かつ空気接触があり凝固が多い部位である. 当院ではその対策としてVC液面を高く管理し血液と補充液間での液層分離を行っているが, 数時間に一度のVC液面調整を必要とし安定性は低い. 今回, 6種類のVCを用いて液層分離条件をin vitroで評価し, 安定した液層分離が可能なVC構造を検討した. また, VC構造の違いによる滞留評価を行った. その結果, 液層分離の形成条件は血液流入口が補充液流入口より下部に留置, かつ液面を補充液流入口より上部で管理することであった. 両条件を満たしたVCのなかで, 補充液流入口が最もVC下部に留置されているプリズマフレックス セプザイリスセットは, フィルター濡れの可能性が低く, 気泡流入による液層分離解消までの容積が大きいため, 現行VCのなかで最も安全性と安定性に優れたVCであると考える.
ISSN:2185-1085