食塊粒度を用いた咀嚼能率評価の行方

咀嚼に関する研究の中心となってきた歯科医学に多くの知識が存在するにもかかわらず,現在の高齢者の食に関する決定に対する歯科医師の関与はわずか3.1%にすぎず非常に少ないことが報告されている.摂食には多くの要因が関与するため例えば義歯装着等によって食形態を変更できるかどうかの総合的かつ客観的判断も現時点では困難とされており歯学領域でこれまで蓄積されてきた知識は活用されているとは言い難い.この観点から考えると,日常的に摂取している自然食品の咀嚼評価を,食レベル決定のための臨床判断基準として用いることには重要なニーズがあると考えられる.多種多様な日常食品を咀嚼・嚥下する実際の高齢者の食生活を考慮すれば...

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Veröffentlicht in:日本顎口腔機能学会雑誌 2014, Vol.21(1), pp.8-20
Hauptverfasser: 皆木, 省吾, 田中, 祐貴, 橋本, 有希, 杉本, 恭子
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:咀嚼に関する研究の中心となってきた歯科医学に多くの知識が存在するにもかかわらず,現在の高齢者の食に関する決定に対する歯科医師の関与はわずか3.1%にすぎず非常に少ないことが報告されている.摂食には多くの要因が関与するため例えば義歯装着等によって食形態を変更できるかどうかの総合的かつ客観的判断も現時点では困難とされており歯学領域でこれまで蓄積されてきた知識は活用されているとは言い難い.この観点から考えると,日常的に摂取している自然食品の咀嚼評価を,食レベル決定のための臨床判断基準として用いることには重要なニーズがあると考えられる.多種多様な日常食品を咀嚼・嚥下する実際の高齢者の食生活を考慮すれば,咀嚼能率の評価は単純化・普遍化から離れて,個々の患者の嗜好なども含めたオーダーメイド化された評価を目指すことが望まれる.本稿ではこれまでに報告された種々の食品の粒度解析関連の研究を紹介するとともに食レベル決定への関与の可能性という観点からまとめたものである.
ISSN:1340-9085
1883-986X
DOI:10.7144/sgf.21.8