側頭骨に発生した軟骨芽細胞腫の 2 例
背景 : 軟骨芽細胞腫は若年者の長管骨骨端部に好発する良性骨腫瘍である. 側頭骨発生の軟骨芽細胞腫はまれで, 細胞像の報告例は限られている. 症例 : 症例 1 は 50 歳男性. 1.5 cm 大の左側頭骨腫瘤に対して穿刺吸引細胞診および生検術が行われるも診断にいたらなかった. 部分切除術が行われ病理学的に軟骨芽細胞腫と診断された. 残存腫瘍の増大に対し再摘出術が行われ捺印細胞診を施行した. 穿刺吸引細胞診と捺印細胞診のいずれにも清明な背景に多数の類円形単核細胞と破骨細胞型多核巨細胞が出現していた. 単核細胞の核は類円形または楕円形で, 括れや核溝を有する核も認められた. 細胞質はライトグリ...
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Veröffentlicht in: | 日本臨床細胞学会雑誌 2013, Vol.52(3), pp.259-264 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 背景 : 軟骨芽細胞腫は若年者の長管骨骨端部に好発する良性骨腫瘍である. 側頭骨発生の軟骨芽細胞腫はまれで, 細胞像の報告例は限られている. 症例 : 症例 1 は 50 歳男性. 1.5 cm 大の左側頭骨腫瘤に対して穿刺吸引細胞診および生検術が行われるも診断にいたらなかった. 部分切除術が行われ病理学的に軟骨芽細胞腫と診断された. 残存腫瘍の増大に対し再摘出術が行われ捺印細胞診を施行した. 穿刺吸引細胞診と捺印細胞診のいずれにも清明な背景に多数の類円形単核細胞と破骨細胞型多核巨細胞が出現していた. 単核細胞の核は類円形または楕円形で, 括れや核溝を有する核も認められた. 細胞質はライトグリーン好性で境界明瞭だった. 症例 2 は 58 歳男性. 2 cm 大の右側頭骨腫瘤の摘出術の際に捺印細胞診を行った. 症例 1 と同様の単核細胞と破骨細胞型多核巨細胞の出現のほかに, Giemsa 染色でメタクロマジーを示す細胞外基質も認められた. 結論 : 単核細胞と破骨細胞型多核巨細胞からなる側頭骨病変には軟骨芽細胞腫を含め多くの鑑別疾患があがる. 臨床所見や画像検査に加え, 特徴的な軟骨芽細胞やメタクロマジーを示す細胞外基質などの細胞診所見が鑑別に有用である. |
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ISSN: | 0387-1193 1882-7233 |
DOI: | 10.5795/jjscc.52.259 |