小児の薬物アレルギー

近年,薬物アレルギーの分野では,“de-labeling”(一旦薬物アレルギーと診断されたラベルを正しい診断で剝がすこと)の重要性が説かれており,慎重かつ正しい診断が求められている.診断において,即時型薬物アレルギーでは,皮膚プリックテスト,皮内テストの後に薬物誘発試験(drug provocation test:DPT)を行う.補助的に好塩基球活性化試験や薬物特異的IgE検査を行うこともできるが保険適用外である.非即時型薬物アレルギーでは,皮内テスト,もしくは,パッチテストを行い,DPTを行う.薬物リンパ球刺激試験(DLST)については,使用を推奨する根拠となる報告は少なく,これのみで薬物ア...

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Veröffentlicht in:日本小児アレルギー学会誌 2023/12/20, Vol.37(5), pp.477-483
Hauptverfasser: 夏目, 統, 加藤, 由希子, 安岡, 竜平
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:近年,薬物アレルギーの分野では,“de-labeling”(一旦薬物アレルギーと診断されたラベルを正しい診断で剝がすこと)の重要性が説かれており,慎重かつ正しい診断が求められている.診断において,即時型薬物アレルギーでは,皮膚プリックテスト,皮内テストの後に薬物誘発試験(drug provocation test:DPT)を行う.補助的に好塩基球活性化試験や薬物特異的IgE検査を行うこともできるが保険適用外である.非即時型薬物アレルギーでは,皮内テスト,もしくは,パッチテストを行い,DPTを行う.薬物リンパ球刺激試験(DLST)については,使用を推奨する根拠となる報告は少なく,これのみで薬物アレルギーの診断を下すことは,“誤ったlabeling”の可能性があり,注意が必要である.本稿では,薬物アレルギーの定義と分類,そして診断のためのDPTまでの道筋について,さらに各論として鑑別頻度の高い抗菌薬アレルギーの精査の流れについて概説する.
ISSN:0914-2649
1882-2738
DOI:10.3388/jspaci.37.477