ピーナッツアレルギーが関与した急性膵炎の3歳男児例

食物アレルギー反応が急性膵炎の原因になることはまれである.今回,ピーナッツアレルギーが関与したと考えられた急性膵炎の3歳男児例を経験した.過去にピーナッツの摂取歴はない.家族歴に関して膵疾患はなかったが,兄にピーナッツアレルギーがあった.ピーナッツせんべいを摂取した約1時間後に顔面が紅潮し,急速に全身性の皮膚の発赤を認め,その後に咳嗽と喘鳴,腹痛が出現したため当院を受診した.アナフィラキシーと診断し,アドレナリン筋肉注射を含む治療を行った.速やかに症状は軽快したが,血清アミラーゼ値とP型アミラーゼ値の上昇,腹部造影CT検査で膵腫大の所見をもとに軽症急性膵炎と診断した.入院のうえ,保存的加療を行...

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Veröffentlicht in:日本小児アレルギー学会誌 2015/08/20, Vol.29(3), pp.255-259
Hauptverfasser: 清水, 麻由, 阿部, 祥英, 渡邊, 佳孝, 中村, 俊紀, 森田, 孝次, 今井, 孝成, 板橋, 家頭夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:食物アレルギー反応が急性膵炎の原因になることはまれである.今回,ピーナッツアレルギーが関与したと考えられた急性膵炎の3歳男児例を経験した.過去にピーナッツの摂取歴はない.家族歴に関して膵疾患はなかったが,兄にピーナッツアレルギーがあった.ピーナッツせんべいを摂取した約1時間後に顔面が紅潮し,急速に全身性の皮膚の発赤を認め,その後に咳嗽と喘鳴,腹痛が出現したため当院を受診した.アナフィラキシーと診断し,アドレナリン筋肉注射を含む治療を行った.速やかに症状は軽快したが,血清アミラーゼ値とP型アミラーゼ値の上昇,腹部造影CT検査で膵腫大の所見をもとに軽症急性膵炎と診断した.入院のうえ,保存的加療を行い,3日目には膵酵素値が改善した.臨床経過とピーナッツ特異的IgE値(37.1UA/mL)から,急性膵炎はピーナッツアレルギーが関与したと判断した.食物アレルギーによる急性膵炎発症の小児例の報告は少ないが,食物アレルギー症状に腹痛を伴う場合は急性膵炎が関与していることがあり,注意が必要である.
ISSN:0914-2649
1882-2738
DOI:10.3388/jspaci.29.255