保健師が行う地域アセスメントに関する文献レビュー - 2005年~2015年の和文論文をもとに
「要旨」【目的】本研究の目的は, 日本における保健師の地域アセスメントに関する研究の動向と, 用いられている用語や理論・方法・モデルの現状, 地域アセスメントに関する既存の知見を, 文献検討を通じて明らかにすることである. 【方法】医学中央雑誌を用い, 「地域診断」または「地域アセスメント」を検索語とし, 2005年1月~2015年12月の看護の原著論文を検索した. 地域アセスメントに該当しないものを除外し, 84文献を分析対象とした. 分析の視点は, 研究の目的・課題, 用語, 用語の定義, 理論・方法論・モデル, 得られた知見であった. 【結果】研究目的・課題で最も多かったのは「基礎教育」...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 兵庫県立大学看護学部・地域ケア開発研究所紀要 2019-03, Vol.26, p.103-115 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 「要旨」【目的】本研究の目的は, 日本における保健師の地域アセスメントに関する研究の動向と, 用いられている用語や理論・方法・モデルの現状, 地域アセスメントに関する既存の知見を, 文献検討を通じて明らかにすることである. 【方法】医学中央雑誌を用い, 「地域診断」または「地域アセスメント」を検索語とし, 2005年1月~2015年12月の看護の原著論文を検索した. 地域アセスメントに該当しないものを除外し, 84文献を分析対象とした. 分析の視点は, 研究の目的・課題, 用語, 用語の定義, 理論・方法論・モデル, 得られた知見であった. 【結果】研究目的・課題で最も多かったのは「基礎教育」32件であり, 次いで「研究者による地域アセスメントの実践」17件であった. 「現任教育」は7件, 「実践者による地域アセスメントの実践」は5件のみであった. 用語で最も多かったのは「地区/地域診断」の40件で, 定義が明記されている論文は29件あり, 定義の内容は多様であった. 理論・方法論・モデルが活用されていた論文は37件で, 最も用いられていたのは, Community as Partner Modelの16件であり, 次いで地区視診ガイドライン10件, エスノグラフィー5件であった. 理論・方法論・モデルに関する知見では, Community as Partner Modelの構成要素を情報収集項目として基礎教育で用いる場合, 実際の地域とリンクさせた理解の必要性が示された. また, 基礎教育や現任教育に関する知見では, 基礎教育において量的データを包括的に収集するイメージがつき, 実践とのギャップが生じていることや, 現任教育においても情報収集に困難を感じるといった課題が示されていた. 【考察】地域アセスメントに関する論文は, 教育上の課題やアセスメントの特徴が明示されている一方で, 実践的で継続的な地域アセスメントの様相は明らかになっておらず, 今後はその解明が必要である. |
---|---|
ISSN: | 1881-6592 |