腹部外傷を契機に発見されたsolid pseudopapillary tumor of the pancreasの1小児例

患児は11 歳,女児.友人に腹部を殴打され腹痛が出現.受傷3 日目に前医受診し,外傷性膵損傷が疑われ当院救急受診となった.全身状態は安定しており,血液検査にて炎症所見,アミラーゼ上昇も軽度であった.超音波検査で膵体部背側に69×52 mm の充実成分と液性成分が混在する腫瘤を認め保存的加療を開始した.造影MRI 検査で膵充実性偽乳頭状腫瘍(solid pseudopapillary tumor,以下SPT)と術前診断し手術施行した.受傷14 日目に脾合併膵体尾部切除術を施行.腫瘍破裂は認めなかったが脾動静脈は腫瘍に巻き込まれており,正常膵との境界も不明瞭で核出術は不可能であった.病理組織検査に...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:日本小児外科学会雑誌 2016/10/20, Vol.52(6), pp.1180-1185
Hauptverfasser: 三藤, 賢志, 高間, 勇一, 米田, 光宏, 大野, 耕一, 中岡, 達雄, 東尾, 篤史, 中村, 哲郎
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:患児は11 歳,女児.友人に腹部を殴打され腹痛が出現.受傷3 日目に前医受診し,外傷性膵損傷が疑われ当院救急受診となった.全身状態は安定しており,血液検査にて炎症所見,アミラーゼ上昇も軽度であった.超音波検査で膵体部背側に69×52 mm の充実成分と液性成分が混在する腫瘤を認め保存的加療を開始した.造影MRI 検査で膵充実性偽乳頭状腫瘍(solid pseudopapillary tumor,以下SPT)と術前診断し手術施行した.受傷14 日目に脾合併膵体尾部切除術を施行.腫瘍破裂は認めなかったが脾動静脈は腫瘍に巻き込まれており,正常膵との境界も不明瞭で核出術は不可能であった.病理組織検査にてSPT と確定診断した.術後経過は良好で,現在術後24か月で再発徴候はない.腹部外傷後の膵腫瘤ではSPT を考慮する必要がある.SPT の摘出の際には様々な術式を考慮する必要があるため十分な術前検査を行い手術すべきだと考える.
ISSN:0288-609X
2187-4247
DOI:10.11164/jjsps.52.6_1180