総論 - 地域における臨床研究のすすめ

「POINT」(1)臨床研究は高度先端医療機関だけではなく, プライマリ・ケアの現場でも実践できる (2)臨床上の疑問を「PICO」あるいは「PEMO」の形に定式化し, あらかじめリサーチ・クエスチョンを明確にしておく (3)統計学的有意差と臨床的な有意性は同義ではないことを理解しておく「はじめに」臨床研究とはそもそも何のために行うのだろうか? これは診療行動を変えることによって, 患者のアウトカムを向上させることや, もっと大きく言うと制度や政策を変えるといったことであろう. そのために具体的に必要なことは, 研究成果を論文として発表することによって他の医療者と共有し, 類似の病態・疾患に悩...

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Veröffentlicht in:月刊地域医学 2017-10, Vol.31 (10), p.778-781
Hauptverfasser: 小林大介, 川村孝
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「POINT」(1)臨床研究は高度先端医療機関だけではなく, プライマリ・ケアの現場でも実践できる (2)臨床上の疑問を「PICO」あるいは「PEMO」の形に定式化し, あらかじめリサーチ・クエスチョンを明確にしておく (3)統計学的有意差と臨床的な有意性は同義ではないことを理解しておく「はじめに」臨床研究とはそもそも何のために行うのだろうか? これは診療行動を変えることによって, 患者のアウトカムを向上させることや, もっと大きく言うと制度や政策を変えるといったことであろう. そのために具体的に必要なことは, 研究成果を論文として発表することによって他の医療者と共有し, 類似の病態・疾患に悩む患者の診療でその成果を活用してもらうことである. 臨床研究論文, とりわけランダム化対照試験というと, 大学病院など高度先端医療機関で行うものというイメージがある. しかし, 治療のエビデンスは, その疾患の患者が受診する医療機関でつくるものである.
ISSN:0914-4277