自転車競技の隊列構成人数の違いが並走者に与える空気力学的な影響

「I 背景および目的」 自転車競技において, 40km/hの定常状態の速度で走行中に作用する減速力の総量の約90%が空気抵抗であるとの報告がある(Kyle, 1988). したがって, 走者がより速く走行するためには, ペダルに加える駆動力を増大することと同時に, 空気抵抗を低減させることが求められる. 空気抵抗を低減させるために, 複数人の走者で隊列を形成し追従走行(以下「ドラフティング」と略す)する戦術が知られている. このドラフティングに関して, 隊列中のより後方に位置することで空気抵抗がより小さくなることが知られている(Blocken et al., 2013a; Broker, 20...

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Veröffentlicht in:体育学研究 2019/12/16, Vol.64(2), pp.637-645
Hauptverfasser: 白﨑, 啓太, 山辺, 芳, 明石, 啓太, 高嶋, 渉
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「I 背景および目的」 自転車競技において, 40km/hの定常状態の速度で走行中に作用する減速力の総量の約90%が空気抵抗であるとの報告がある(Kyle, 1988). したがって, 走者がより速く走行するためには, ペダルに加える駆動力を増大することと同時に, 空気抵抗を低減させることが求められる. 空気抵抗を低減させるために, 複数人の走者で隊列を形成し追従走行(以下「ドラフティング」と略す)する戦術が知られている. このドラフティングに関して, 隊列中のより後方に位置することで空気抵抗がより小さくなることが知られている(Blocken et al., 2013a; Broker, 2003; Defraeye et al., 2013). また, 隊列中の後続走者にとって, 先行走者の後輪後端を基準とした時に, 後続走者の前輪前端の前後方向のずれや側方向のずれを極力小さくすることによってドラフティングの効果を最大化できることが知られている(Barry et al., 2014; Blocken et al., 2013b; Kyle, 1979; Shirasaki et al., 2017; Zdravkovich et al., 1996).
ISSN:0484-6710
1881-7718
DOI:10.5432/jjpehss.18086