両側耳下腺乳児血管腫を合併しプロプラノロールで治療したPHACE症候群疑いの小児例

乳児血管腫は小児血管性腫瘍の中では最多の疾患であり,治療としては近年プロプラノロールの内服治療が第一選択となりつつある.今回我々は,急速に増大する両側耳下腺腫脹を認めた乳児例を経験した.精査目的に針生検を施行した結果乳児血管腫の診断となり,プロプラノロールの内服治療を開始した.本症例は心血管奇形を含む多発奇形を有しており,PHACE症候群疑い例と考えられた.PHACE症候群では頭蓋内血管奇形を合併することがあり,循環動態の変化等に特に留意する必要がある.本症例には頭蓋内合併奇形を認めず,治療経過中明らかな副作用は認めず安全に治療を遂行できた.治療開始8ヵ月後のMRI検査にて血管腫は著明に縮小し...

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Veröffentlicht in:口腔・咽頭科 2018, Vol.31(2), pp.197-201
Hauptverfasser: 松島, 可奈, 仲野, 敦子, 有本, 友季子, 茶薗, 英明, 岡本, 美孝
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:乳児血管腫は小児血管性腫瘍の中では最多の疾患であり,治療としては近年プロプラノロールの内服治療が第一選択となりつつある.今回我々は,急速に増大する両側耳下腺腫脹を認めた乳児例を経験した.精査目的に針生検を施行した結果乳児血管腫の診断となり,プロプラノロールの内服治療を開始した.本症例は心血管奇形を含む多発奇形を有しており,PHACE症候群疑い例と考えられた.PHACE症候群では頭蓋内血管奇形を合併することがあり,循環動態の変化等に特に留意する必要がある.本症例には頭蓋内合併奇形を認めず,治療経過中明らかな副作用は認めず安全に治療を遂行できた.治療開始8ヵ月後のMRI検査にて血管腫は著明に縮小した.
ISSN:0917-5105
1884-4316
DOI:10.14821/stomatopharyngology.31.197