呼吸器を装着した子どもの生活場所に対する親の意思決定

要旨 本研究は,Mishelの不確実性理論(1988;1990)を基盤に考えた,子どもの生活場所に対する親の意思決定を表わす概念枠組みにおける変数間の関係を6つの仮説すなわち,仮説1)子どもの反応を感じ取れる親ほど不確実性に挑戦し,その結果,子どもの生活場所に対する親の意思決定の質が高くなる,仮説2)子どもの反応を感じ取れない親ほど不確実性へのとらわれが強くなり,その結果,子どもの生活場所に対する親の意思決定の質が低くなる,仮説3)子どものケアに自信がある親ほど不確実性に挑戦し,その結果,子どもの生活場所に対する親の意思決定の質が高くなる,仮説4)子どものケアに自信がない親ほど不確実性へのとら...

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Veröffentlicht in:日本看護科学会誌 2001/04/05, Vol.21(1), pp.51-60
1. Verfasser: 鈴木 真知子
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:要旨 本研究は,Mishelの不確実性理論(1988;1990)を基盤に考えた,子どもの生活場所に対する親の意思決定を表わす概念枠組みにおける変数間の関係を6つの仮説すなわち,仮説1)子どもの反応を感じ取れる親ほど不確実性に挑戦し,その結果,子どもの生活場所に対する親の意思決定の質が高くなる,仮説2)子どもの反応を感じ取れない親ほど不確実性へのとらわれが強くなり,その結果,子どもの生活場所に対する親の意思決定の質が低くなる,仮説3)子どものケアに自信がある親ほど不確実性に挑戦し,その結果,子どもの生活場所に対する親の意思決定の質が高くなる,仮説4)子どものケアに自信がない親ほど不確実性へのとらわれが強くなり,その結果,子どもの生活場所に対する親の意思決定の質が低くなる,仮説5)子どものケアを負担に思わない親ほど不確実性に挑戦し,その結果,子どもの生活場所に対する親の意思決定の質が高くなる,仮説6)子どものケアを負担だと思う親ほど不確実性へのとらわれが強くなり,その結果,子どもの生活場所に対する親の意思決定の質が低くなる,に基づき検討することを目的とした.対象は3か月以上呼吸器を装着している全国の子ども(0歳から15歳)の親の内,すでに子どもの生活場所を決断した101名であった.データ収集は,6つの質問紙を用いた.分析は重回帰分析を行い次に,他の変数の影響を取り除いた変数間のパス係数を表すことによって行った.分析の結果,仮説2)の「反応の感じ取り」と「不確実性へのとらわれ」との関係,仮説5)の「ケアの負担」と「不確実性への挑戦」との関係は支持されなかった.本研究結果は,看護者が子どもの置かれている状況への親の不確実性を「不確実性への挑戦」にし,今後における子どもの生活場所を親自らが考え,納得した決め方をしていけるような支援のあり方を検討するための重要な手がかりになると思われる.
ISSN:0287-5330
2185-8888
DOI:10.5630/jans1981.21.1_51