典型的左心低形成症候群の僧帽弁/大動脈弁サブタイプ別による小児期予後
背景:左心低形成症候群(HLHS)は周術期管理や外科治療の進歩に伴い生存率は向上したが,現在でもFontan到達率が低く予後は悪い.HLHSが心室中隔欠損のない典型的左心低形成症候群(typical HLHS)だけでなく非典型的左心低形成症候群なども包含し複雑な血行動態を有するため,予後因子の解析が困難である.typical HLHSを僧帽弁/大動脈弁の狭窄または閉鎖の組み合わせによる4群に分類し,生存率や死亡の危険因子を検討することで,今後のFontan到達および予後向上に役立てることを目的とした.方法:typical HLHS=119例(MA/AA=61, MA/AS=4, MS/AA=2...
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Veröffentlicht in: | 日本小児循環器学会雑誌 2018/01/01, Vol.34(1), pp.3-9 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 背景:左心低形成症候群(HLHS)は周術期管理や外科治療の進歩に伴い生存率は向上したが,現在でもFontan到達率が低く予後は悪い.HLHSが心室中隔欠損のない典型的左心低形成症候群(typical HLHS)だけでなく非典型的左心低形成症候群なども包含し複雑な血行動態を有するため,予後因子の解析が困難である.typical HLHSを僧帽弁/大動脈弁の狭窄または閉鎖の組み合わせによる4群に分類し,生存率や死亡の危険因子を検討することで,今後のFontan到達および予後向上に役立てることを目的とした.方法:typical HLHS=119例(MA/AA=61, MA/AS=4, MS/AA=24, MS/AS=30例)を対象にした.症例の少ないMA/ASを除くMA/AA, MS/AAおよびMS/ASの3群間別生存率,死亡数,死因を検討し,胎内診断,MS/AA, 低出生体重,房室弁閉鎖不全,心外合併症,狭小心房間交通,初回術後ICU滞在日数および初回術式を変量として解析した.結果:typical HLHS全体の5年生存率は58%,サブタイプ別にMS/AS 72%, MA/AA 59%, MS/AA 33%で有意差を認めた(p=0.002).多変量解析でMS/AA(p=0.002)と胎内診断陽性(p=0.03)が予後に関する有意な危険因子とされた.結論:typical HLHSにおいてMS/AAは予後不良因子であった.TCPC後予後は他群と変わらないことから,術前診断の向上,右心バイパス前の治療戦略の改善が必要である. |
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ISSN: | 0911-1794 2187-2988 |
DOI: | 10.9794/jspccs.34.3 |