小児の心房中隔欠損症におけるcrochetage パターンの年齢群別の 差異および血行動態との関係の検討

背景:小児期の心房中隔欠損症(atrial septal defect;ASD)は一般的に無症状で,心電図変化を認めない例も多い.ASD診断の心電図指標としてのcrochetageの有用性を検討した. 方法:ASDの小児151例におけるcrochetageの頻度を年齢群別に検討し,さらに対照群と比較した.また肺体血流比とcrochetageの関係性を検討した. 結果:CrochetageをⅡ,Ⅲ,aVF誘導のすべてに認める場合の感度と特異度は,対照群に対してはそれぞれ11.3%,100%であった.年齢群別の検討では特に10歳以上の年長児にcrochetageをより高率に認めた.ASD群において...

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Veröffentlicht in:日本小児循環器学会雑誌 2014/01/01, Vol.30(1), pp.22-29
Hauptverfasser: 船田, 裕昭, 坂田, 晋史, 倉信, 裕樹, 橋田, 祐一郎, 美野, 陽一, 辻, 靖博, 神﨑, 晋
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景:小児期の心房中隔欠損症(atrial septal defect;ASD)は一般的に無症状で,心電図変化を認めない例も多い.ASD診断の心電図指標としてのcrochetageの有用性を検討した. 方法:ASDの小児151例におけるcrochetageの頻度を年齢群別に検討し,さらに対照群と比較した.また肺体血流比とcrochetageの関係性を検討した. 結果:CrochetageをⅡ,Ⅲ,aVF誘導のすべてに認める場合の感度と特異度は,対照群に対してはそれぞれ11.3%,100%であった.年齢群別の検討では特に10歳以上の年長児にcrochetageをより高率に認めた.ASD群においてQp/Qs>3.0の症例ではQp/Qs≦1.5の症例よりcrochetageを有意に多く認めた(p=0.003). 結論:Crochetageは正常群に対する特異度も高く,ASD群のうち左右シャント量が多い重症例または年長児例ではcrochetageを認める頻度が高いため,小児期においてcrochetageはASD診断の有用な心電図指標になると考えられた.
ISSN:0911-1794
2187-2988
DOI:10.9794/jspccs.30.22