説明する医師の意図とそれを聞く母親の思い
「はじめに」 2008年夏のシンポジウムでは, 中澤誠・第44回日本小児循環器学会総会・学術集会会長をはじめとする医師, 看護師, 心理学者で構成される先天性心疾患の子どものトータルケア研究会と題するグループでの研究結果をもとに発表させていただいた. 研究では, 先天性心疾患で手術を受けた経験のある母親30名へのインタビューと, 先天性心疾患の治療に携わる外科と内科の医師10名へのインタビューを行った. その結果, 医師たちは, 親が複雑な病態や治療をすぐに理解するのは難しいことを十分に認識したうえで, 命にかかわる疾患だからこそ, 親には病状やリスクをわかってもらいたいと思っていた. 説明が...
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Veröffentlicht in: | 日本小児循環器学会雑誌 2009-07, Vol.25 (4), p.586-589 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」 2008年夏のシンポジウムでは, 中澤誠・第44回日本小児循環器学会総会・学術集会会長をはじめとする医師, 看護師, 心理学者で構成される先天性心疾患の子どものトータルケア研究会と題するグループでの研究結果をもとに発表させていただいた. 研究では, 先天性心疾患で手術を受けた経験のある母親30名へのインタビューと, 先天性心疾患の治療に携わる外科と内科の医師10名へのインタビューを行った. その結果, 医師たちは, 親が複雑な病態や治療をすぐに理解するのは難しいことを十分に認識したうえで, 命にかかわる疾患だからこそ, 親には病状やリスクをわかってもらいたいと思っていた. 説明がうまく伝わっているかどうかは, 説明時の質問内容や親とのやりとりの様子で判断することもあった. さらに, 説明にあたってはさまざまな配慮や工夫を凝らし, 信頼を築く努力をしていた1). 一方, 母親たちは, 思いもよらない病気を告げられて衝撃を受け, 混乱のうちに説明を聞いていた. |
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ISSN: | 0911-1794 |