姿勢と歩行運動制御の基礎研究

姿勢や姿勢筋緊張, そして, 歩行を制御する基本的な神経機構は脳幹と脊髄に存在する. しかし, これらの運動機能の異常は, 大脳皮質のみならず大脳基底核(以下, 基底核)や小脳の障害においても観察される. 従って, これらの領域からの信号は脳幹と脊髄に作用することにより, 姿勢維持や筋緊張の調節, そして, 歩行の制御に寄与すると考えられる. 私はこれまで, 脳幹と脊髄による姿勢と歩行の制御機構についての基礎研究を展開してきた. 近年は, 基底核による姿勢と歩行の調節メカニズムについての研究を遂行している. 運動の制御における基底核の機能を理解するためには, 基底核疾患における運動障害の仕組み...

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Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:Equilibrium Research 2012, Vol.71(2), pp.136-136
1. Verfasser: 高草木, 薫
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:姿勢や姿勢筋緊張, そして, 歩行を制御する基本的な神経機構は脳幹と脊髄に存在する. しかし, これらの運動機能の異常は, 大脳皮質のみならず大脳基底核(以下, 基底核)や小脳の障害においても観察される. 従って, これらの領域からの信号は脳幹と脊髄に作用することにより, 姿勢維持や筋緊張の調節, そして, 歩行の制御に寄与すると考えられる. 私はこれまで, 脳幹と脊髄による姿勢と歩行の制御機構についての基礎研究を展開してきた. 近年は, 基底核による姿勢と歩行の調節メカニズムについての研究を遂行している. 運動の制御における基底核の機能を理解するためには, 基底核疾患における運動障害の仕組みを洞察することが極めて重要である. 特に, 我々の"随意運動"には常に無意識のうちに遂行される自動的な運動プロセスが随伴していることを理解する必要がある. 例えば, 歩行の開始や停止, あるいは, 障害物の回避などの動作は, 注意や正確な制御を必要とする随意的なプロセスであり, これらには, 大脳皮質の活動が重要であるものの, その一部は自動的に遂行される.
ISSN:0385-5716
1882-577X
DOI:10.3757/jser.71.136