回転性めまいと頭痛にて発症し, 脳室腹腔シャント術により軽快した正常圧水頭症の1症例
「はじめに」正常圧水頭症(normal pressure hydrocephalus, NPH)は, 著明な脳室拡大を認めるにもかかわらず, 脳脊髄圧の上昇が軽微で, 精神活動の低下(痴呆), 歩行障害, 尿失禁を3主徴とする疾患である. シャント手術を行うことで上記症状の著明な改善が認められることから, 治療可能な認知症として注目されている1)~3). 今回我々は, 難治性の頭痛と回転性めまいにて発症し, 脳室腹腔シャント術により症状が消失した正常圧水頭症症例を経験したので, その病態につき文献的考察を加えて報告する. 「症例」患者: 21歳女性 主訴: 回転性めまい, 頭痛 現病歴: 20...
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Veröffentlicht in: | Equilibrium Research 2009, Vol.68(2), pp.74-80 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」正常圧水頭症(normal pressure hydrocephalus, NPH)は, 著明な脳室拡大を認めるにもかかわらず, 脳脊髄圧の上昇が軽微で, 精神活動の低下(痴呆), 歩行障害, 尿失禁を3主徴とする疾患である. シャント手術を行うことで上記症状の著明な改善が認められることから, 治療可能な認知症として注目されている1)~3). 今回我々は, 難治性の頭痛と回転性めまいにて発症し, 脳室腹腔シャント術により症状が消失した正常圧水頭症症例を経験したので, その病態につき文献的考察を加えて報告する. 「症例」患者: 21歳女性 主訴: 回転性めまい, 頭痛 現病歴: 2004年4月頃より軽度の頭痛と軽いふらつきを自覚していた. 同年5月仕事中に回転性めまいを自覚した. 拍動性の頭痛, 嘔気, 両側の耳鳴を伴い, めまいの持続時間は5分程度であった. 近医に入院し, 頭部CT, MRIを施行したところ, 水頭症を指摘された. |
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ISSN: | 0385-5716 1882-577X |
DOI: | 10.3757/jser.68.74 |