形態と遺伝子をうまく活用した分類・同定の実際―形態観察と遺伝子解析
「1. はじめに」食品が微生物により汚染された場合, その微生物を同定し, 分類系統学的にどこに位置するかを知ることが必要となる. 従来, カビの分類・同定は主として形態学的な形質の差異に基づいて行われてきており, どの形質を重要視するか, 菌株間の多少の変異をどう評価するかなど, 観察者の主観による判断の相違は避けることが難しい. また, 表現形質は, 培養条件などによっても微妙に変化することもあり, さらに判断に混乱を生じることにもなる. 形態学的な観察方法としては, 肉眼的観察(集落の性状など), 光学顕微鏡観察(有性・無性胞子の性状, 生殖器官・無性胞子の形成様式など)に加え, 生化学...
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Veröffentlicht in: | 日本食品微生物学会雑誌 2017/06/30, Vol.34(2), pp.111-114 |
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1. Verfasser: | |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「1. はじめに」食品が微生物により汚染された場合, その微生物を同定し, 分類系統学的にどこに位置するかを知ることが必要となる. 従来, カビの分類・同定は主として形態学的な形質の差異に基づいて行われてきており, どの形質を重要視するか, 菌株間の多少の変異をどう評価するかなど, 観察者の主観による判断の相違は避けることが難しい. また, 表現形質は, 培養条件などによっても微妙に変化することもあり, さらに判断に混乱を生じることにもなる. 形態学的な観察方法としては, 肉眼的観察(集落の性状など), 光学顕微鏡観察(有性・無性胞子の性状, 生殖器官・無性胞子の形成様式など)に加え, 生化学的性状(生育温度, 代謝産物など)などにより総合的に判断する. さらに, 走査型電子顕微鏡(SEM)などの登場により微細構造の観察が可能になり, 形態分類基準の一つとなっている. |
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ISSN: | 1340-8267 1882-5982 |
DOI: | 10.5803/jsfm.34.111 |