白菜きりづけによる腸管出血性大腸菌O157食中毒の概要について
「1. はじめに」 近年, 腸管出血性大腸菌を原因とする食中毒および感染症が散発しているが, 平成24年8月, 札幌市内の事業者により製造された浅漬けが原因食品となった腸管出血性大腸菌O157(以下「O157」という)による食中毒が発生し, 「高齢者関連施設」(以下「高齢者施設」という)を中心に患者数169名, うち死者8名と大きな被害となった. 本事例は, 死亡者が多かったことに加え, 流通品でそのまま喫食する浅漬けによるDiffuse Outbreakであったこと, 野菜の殺菌方法などが問題となったことから, 再現試験を含めた原因究明を行ったので, 概要について紹介する. 「2. O157...
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Veröffentlicht in: | 日本食品微生物学会雑誌 2013/06/30, Vol.30(2), pp.112-115 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「1. はじめに」 近年, 腸管出血性大腸菌を原因とする食中毒および感染症が散発しているが, 平成24年8月, 札幌市内の事業者により製造された浅漬けが原因食品となった腸管出血性大腸菌O157(以下「O157」という)による食中毒が発生し, 「高齢者関連施設」(以下「高齢者施設」という)を中心に患者数169名, うち死者8名と大きな被害となった. 本事例は, 死亡者が多かったことに加え, 流通品でそのまま喫食する浅漬けによるDiffuse Outbreakであったこと, 野菜の殺菌方法などが問題となったことから, 再現試験を含めた原因究明を行ったので, 概要について紹介する. 「2. O157食中毒の探知と概要」 平成24年8月7日(火), 札幌市内の医師から, 高齢者施設の入所者が下痢, 発熱, 血便などの症状を呈して受診している旨, 連絡があった. その後, 札幌市内5カ所および市外(北海道立保健所管内)5カ所の高齢者施設で同様の有症者が発生しているとの情報提供もあり, これらの複数施設の事例が同一の食品による食中毒の可能性も視野に入れて調査を進めた. |
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ISSN: | 1340-8267 1882-5982 |
DOI: | 10.5803/jsfm.30.112 |