Ethidium Monoazideを用いた腸炎ビブリオ生菌の迅速定量法に関する検討

「要約」腸炎ビブリオ生菌のMPN値を迅速に検査する方法として, MPN法の培養液に対してEMA処理後に鋳型を調製し, PCRでtoxR遺伝子が検出された試験管数からMPN値を算出する方法について検討した. 本検査法では, EMA濃度5μg/mlで処理すると, 生菌の検出に影響を与えず, 真水処理および加熱処理により調製した死菌の検出を抑制することが可能であった. PCR阻害などによる偽陰性を回避するため, PCR時にPCTを添加することにより検査結果の精度を向上させた. 実際の生食用鮮魚介類, アジおよび海水について腸炎ビブリオの定量を行ったところ, 従来の培養法による公定法と比較して同等かそ...

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Veröffentlicht in:日本食品微生物学会雑誌 2011/03/31, Vol.28(1), pp.21-28
Hauptverfasser: 嶋, 智子, 磯部, 順子, 木全, 恵子, 金谷, 潤一, 倉田, 毅, 綿引, 正則
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要約」腸炎ビブリオ生菌のMPN値を迅速に検査する方法として, MPN法の培養液に対してEMA処理後に鋳型を調製し, PCRでtoxR遺伝子が検出された試験管数からMPN値を算出する方法について検討した. 本検査法では, EMA濃度5μg/mlで処理すると, 生菌の検出に影響を与えず, 真水処理および加熱処理により調製した死菌の検出を抑制することが可能であった. PCR阻害などによる偽陰性を回避するため, PCR時にPCTを添加することにより検査結果の精度を向上させた. 実際の生食用鮮魚介類, アジおよび海水について腸炎ビブリオの定量を行ったところ, 従来の培養法による公定法と比較して同等かそれ以上の高いMPN値を示した. また, 公定法では腸炎ビブリオと誤同定されたV.harveyiなどの類縁菌についても, 正しく陰性と判定し腸炎ビブリオと区別することが可能であった. 結果は検査開始翌日に出すことが可能である. 食品や環境中の腸炎ビブリオ生菌定量法として, 迅速性および精確性に優れた有用な手法であることが示された.
ISSN:1340-8267
1882-5982
DOI:10.5803/jsfm.28.21