肺癌術後に第2癌と縦隔リンパ節結核が併存し切除により診断に到った1例

背景.成人発症の縦隔リンパ節結核は稀な疾患であり,肺癌に対する精査加療中に診断に到る症例が報告されている.症例.51歳,男性.47歳時に右肺癌(adenocarcinoma,pT3N0M0,Stage IIB)に対し,術前化学放射線治療後に右上葉切除および胸壁合併切除を施行した.術後経過観察中に左肺尖部に結節陰影を認めた.18F-fluorodeoxyglucose positron emission tomographyにて,左肺尖部の結節と左下部気管傍リンパ節に限局した高集積を認めた.再発もしくは異時性第2癌と判断し,診断治療目的に左上区域切除術および縦隔リンパ節郭清術を施行した.左肺尖部...

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Veröffentlicht in:肺癌 2013, Vol.53(2), pp.159-164
Hauptverfasser: 月岡, 卓馬, 山本, 良二, 高濱, 誠, 丁, 奎光, 岡田, 諭志, 多田, 弘人
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:背景.成人発症の縦隔リンパ節結核は稀な疾患であり,肺癌に対する精査加療中に診断に到る症例が報告されている.症例.51歳,男性.47歳時に右肺癌(adenocarcinoma,pT3N0M0,Stage IIB)に対し,術前化学放射線治療後に右上葉切除および胸壁合併切除を施行した.術後経過観察中に左肺尖部に結節陰影を認めた.18F-fluorodeoxyglucose positron emission tomographyにて,左肺尖部の結節と左下部気管傍リンパ節に限局した高集積を認めた.再発もしくは異時性第2癌と判断し,診断治療目的に左上区域切除術および縦隔リンパ節郭清術を施行した.左肺尖部の結節は壁側胸膜浸潤を伴い,組織像はlarge cell carcinomaで,異時性第2癌であった(pT3N0M0,Stage IIB).左下部気管傍リンパ節は,乾酪壊死を伴う類上皮性肉芽腫でラングハンス巨細胞が散見され,縦隔リンパ節結核と診断して,術後抗結核治療を施行した.結論.縦隔リンパ節結核は肺癌を含めた呼吸器疾患に携わる者として,念頭に置くべき疾患である.既往肺癌の再発が疑われたが,積極的診断により第2癌および縦隔リンパ節結核と診断し,適切な治療が選択できた.
ISSN:0386-9628
1348-9992
DOI:10.2482/haigan.53.159