診断・治療方針の決定に難渋した原発不明リンパ節大細胞癌の1例
背景.稀に原発巣が明らかでなく,肺門縦隔リンパ節にのみ癌病巣を認める原発不明リンパ節癌を経験することがある.症例.65歳,男性.約1か月前からの左季肋部痛を主訴に前医を受診した.精査にてCEA高値およびCTにて左肺門異常陰影を指摘され,当院へ紹介となった.CTでは左肺門部腫瘤を認めた.PETでは腫瘤部への異常集積と左第10肋骨へ軽度の集積を認め,同部は疼痛部と一致していた.組織診断が困難であり,骨転移が完全に否定できないこと,CEAが異常高値であることから,方針の決定に難渋した.肋骨に関しては明らかな溶骨性,造骨性変化を認めず,外傷性の可能性が高いと考え経過観察とした.左肺門部腫瘤は原発不明肺...
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Veröffentlicht in: | 肺癌 2011, Vol.51(4), pp.265-269 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Schlagworte: | |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 背景.稀に原発巣が明らかでなく,肺門縦隔リンパ節にのみ癌病巣を認める原発不明リンパ節癌を経験することがある.症例.65歳,男性.約1か月前からの左季肋部痛を主訴に前医を受診した.精査にてCEA高値およびCTにて左肺門異常陰影を指摘され,当院へ紹介となった.CTでは左肺門部腫瘤を認めた.PETでは腫瘤部への異常集積と左第10肋骨へ軽度の集積を認め,同部は疼痛部と一致していた.組織診断が困難であり,骨転移が完全に否定できないこと,CEAが異常高値であることから,方針の決定に難渋した.肋骨に関しては明らかな溶骨性,造骨性変化を認めず,外傷性の可能性が高いと考え経過観察とした.左肺門部腫瘤は原発不明肺癌のリンパ節転移または原発性リンパ節癌の可能性が考えられた.遠隔転移は明らかでなく,生検診断が困難であったことから手術の方針とした.手術は左上葉切除,ND2a郭清を行った.病理診断では,リンパ節内の大細胞癌と診断された.左上葉内に病変はなく,郭清した他のリンパ節に転移は認めなかった.術後補助化学療法を行い,経過観察中である.結語.単一領域のリンパ節癌は完全切除ができた場合の予後は良好であるとされ,積極的な治療が有効と考えられた1例を経験した. |
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ISSN: | 0386-9628 1348-9992 |
DOI: | 10.2482/haigan.51.265 |