2光子顕微鏡による大脳新皮質全層と海馬CA1錐体細胞のin vivoイメージング

「1. はじめに」 in vivoイメージングとは, 生物個体を生きたままの状態で観察し, 生体内の様々な現象を時間空間的に明らかにするための研究手法である. 様々な生体の情報を非侵襲的に得ることができる本手法は, 医療分野ではCTやfMRI, PET等を用いた生体内部のイメージングであり, 基礎研究分野においては蛍光物質を用いての生体分子の挙動から細胞機能を可視化する手法として広く利用されてきている. しかし, CTやfMRI等は内臓を含む全ての生体内部を巨視的に可視化することに長けているが, その解像度は低く, 個々の細胞を区別することは困難である. 一方, 蛍光物質を使った生体イメージン...

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Veröffentlicht in:生物物理 2014, Vol.54(1), pp.035-038
Hauptverfasser: 川上, 良介, 日比, 輝正, 根本, 知己
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「1. はじめに」 in vivoイメージングとは, 生物個体を生きたままの状態で観察し, 生体内の様々な現象を時間空間的に明らかにするための研究手法である. 様々な生体の情報を非侵襲的に得ることができる本手法は, 医療分野ではCTやfMRI, PET等を用いた生体内部のイメージングであり, 基礎研究分野においては蛍光物質を用いての生体分子の挙動から細胞機能を可視化する手法として広く利用されてきている. しかし, CTやfMRI等は内臓を含む全ての生体内部を巨視的に可視化することに長けているが, その解像度は低く, 個々の細胞を区別することは困難である. 一方, 蛍光物質を使った生体イメージングの場合, 細胞や細胞内小器官, 生体分子の動態をリアルタイムで可視化, 観察することが可能であるが, 観察対象に制限がある. 蛍光による観察には「光」が必要であるが, 我々の肉体は可視光を極めて透過しにくい. 例えば, 脳の中をのぞいても肉眼ではただの乳白色の塊としてしか見ることはできない.
ISSN:0582-4052
1347-4219
DOI:10.2142/biophys.54.035