5 アレルギー性肉芽腫性血管炎を合併し, 治療法選択に難渋した肺小細胞癌の一例

77歳男性. 右手指のチアノーゼ, 潰瘍にて当院膠原病内科受診. アレルギー性肉芽腫性血管炎の診断にてステロイドパルス後, ステロイド, 免疫抑制剤, 血管拡張剤にて治療を行っていた. 胸部精査にて撮影された胸部CTにて径3cmの肺内腫瘤を認め, CTガイド下生検にて肺小細胞癌の診断, 加療目的にて当科入院となった. 胸部CT上, アレルギー性肉芽腫性血管炎に伴うと考えられる両側の間質性病変があり, 化学療法(カルボプラチン+エトポシド)のみを開始した. アレルギー性肉芽腫性血管炎の治療として行われていた免疫抑制剤は中止し, ステロイドと血管拡張薬を併用した. 化学療法開始後, 肺の腫瘤は縮小...

Ausführliche Beschreibung

Gespeichert in:
Bibliographische Detailangaben
Veröffentlicht in:米子医学雑誌 2005, Vol.56 (4), p.165-165
Hauptverfasser: 矢部智子, 遠藤正博, 重岡靖, 鰤岡直人, 櫃田豊, 清水英治
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
Tags: Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
Beschreibung
Zusammenfassung:77歳男性. 右手指のチアノーゼ, 潰瘍にて当院膠原病内科受診. アレルギー性肉芽腫性血管炎の診断にてステロイドパルス後, ステロイド, 免疫抑制剤, 血管拡張剤にて治療を行っていた. 胸部精査にて撮影された胸部CTにて径3cmの肺内腫瘤を認め, CTガイド下生検にて肺小細胞癌の診断, 加療目的にて当科入院となった. 胸部CT上, アレルギー性肉芽腫性血管炎に伴うと考えられる両側の間質性病変があり, 化学療法(カルボプラチン+エトポシド)のみを開始した. アレルギー性肉芽腫性血管炎の治療として行われていた免疫抑制剤は中止し, ステロイドと血管拡張薬を併用した. 化学療法開始後, 肺の腫瘤は縮小し, 両肺の間質性陰影, 手指の壊死に大きな変化を認めなかった. 肺小細胞癌は悪性度が高く, 治療選択として肺小細胞癌の化学療法を優先した症例を経験したため, 臨床経過を中心に報告した.
ISSN:0044-0558