喉頭レベルでの気道確保術としての輪状軟骨開窓術
「はじめに」 外科的な気道確保術として, 通常の気管切開術や, 超緊急時には輪状甲状靱帯穿刺・切開術が選択される. 一方, 肥満・短頸, 喉頭低位, 頸部伸展不良や気管切開部での甲状腺腫大・腫瘍, 腕頭・総頸動脈蛇行症など頸部の異常, さらに近年では抗血栓剤の内服により出血傾向を有する症例に遭遇し, 気道確保術に難渋することも少なくない. また, 高齢化社会と共に, 虚弱・寝たきり患者の増加に伴い, 長期気道管理を要する症例に対する気管切開術の依頼も増し, その結果, 長期気管カニューレ留置に起因する肉芽・狭窄などの晩期合併症が問題となる症例も多い. こうした術中・術後の合併症の対策として従来...
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Veröffentlicht in: | 喉頭 2016/06/01, Vol.28(1), pp.16-23 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「はじめに」 外科的な気道確保術として, 通常の気管切開術や, 超緊急時には輪状甲状靱帯穿刺・切開術が選択される. 一方, 肥満・短頸, 喉頭低位, 頸部伸展不良や気管切開部での甲状腺腫大・腫瘍, 腕頭・総頸動脈蛇行症など頸部の異常, さらに近年では抗血栓剤の内服により出血傾向を有する症例に遭遇し, 気道確保術に難渋することも少なくない. また, 高齢化社会と共に, 虚弱・寝たきり患者の増加に伴い, 長期気道管理を要する症例に対する気管切開術の依頼も増し, その結果, 長期気管カニューレ留置に起因する肉芽・狭窄などの晩期合併症が問題となる症例も多い. こうした術中・術後の合併症の対策として従来の外科的な気道確保術で対処するには限界があり, ハイリスク症例に対して新たな選択肢となる安全な気道確保術が望まれる. われわれは, 甲状腺・気管を切開せず輪状軟骨を鉗除し喉頭レベルに気道確保する術式(以下, 「輪状軟骨開窓術」と称する)を2007年から報告してきた. |
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ISSN: | 0915-6127 2185-4696 |
DOI: | 10.5426/larynx.28.16 |