抗PCNA抗体を用いた喉頭癌の増殖能の評価

「はじめに」喉頭癌は, 頭頸部領域悪性腫瘍の中では, 比較的早期に発見されることが多いため, 手術, 放射線治療などを組み合わせることにより, その予後は比較的良いのが現状である. しかし, 同一stageの症例間にも再発, 死亡と不幸な転機をとるものも少なくない. 臨床進展度の指標とされるTNM分類によるstagingと病理組織診断は治療方針および予後を推定するのに有用ではあるが, それだけで十分満足できる結果は得ていない. 近年, 腫瘍の生物学的悪性度の解明に免疫組織学的検討が試みられ客観的悪性度評価法として注目されている. 癌は過剰な細胞増殖1)と定義されている. 増殖能を客観的に評価す...

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Veröffentlicht in:喉頭 1993/06/01, Vol.5(1), pp.55-58
Hauptverfasser: 和田, 好純, 布村, 進作, 嶋田, 高明, 石谷, 保夫, 小池, 靖夫
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」喉頭癌は, 頭頸部領域悪性腫瘍の中では, 比較的早期に発見されることが多いため, 手術, 放射線治療などを組み合わせることにより, その予後は比較的良いのが現状である. しかし, 同一stageの症例間にも再発, 死亡と不幸な転機をとるものも少なくない. 臨床進展度の指標とされるTNM分類によるstagingと病理組織診断は治療方針および予後を推定するのに有用ではあるが, それだけで十分満足できる結果は得ていない. 近年, 腫瘍の生物学的悪性度の解明に免疫組織学的検討が試みられ客観的悪性度評価法として注目されている. 癌は過剰な細胞増殖1)と定義されている. 増殖能を客観的に評価することは癌の悪性度を推定するのに有用と考えられる. 1978学年, Miyachiら2)増殖細胞の核とのみ反応する抗体を見いだしこれに対する抗原をproliferating cell nuclear antigen(以下PCNAと略す)と命名した. これは後に, 細胞増殖期のG1後期よりS期にかけて核にのみ発現することが明らかになった3).
ISSN:0915-6127
2185-4696
DOI:10.5426/larynx1989.5.1_55