反回神経麻痺の臨床統計的観察

「はじめに」反回神経麻痺という呼称は症候名にすぎず, 声帯運動障害を来たす病態を総称して一般に用いられている. 従って, この症例に遭遇した場合最も重要なことは, 運動障害の原因となっている疾患や病態の存在を明らかにすることである. 過去13年間に, 我々が経験した反回神経麻痺症例について, 臨床統計的観察を行い若干の知見を得たので報告する. [対象] 対象は1975年5月から1988年6月までの13年間に, 近畿大学医学部附属病院耳鼻咽喉科外来を受診し, 反回神経麻痺と診断された300症例である. [結果] 1. 年度別症例数 図1は, 年度別症例数を示す. 1975年から1978年までの約...

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Veröffentlicht in:喉頭 1989/12/01, Vol.1(2), pp.139-145
Hauptverfasser: 米川, 紘子, 安達, 薫, 太田, 文彦
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」反回神経麻痺という呼称は症候名にすぎず, 声帯運動障害を来たす病態を総称して一般に用いられている. 従って, この症例に遭遇した場合最も重要なことは, 運動障害の原因となっている疾患や病態の存在を明らかにすることである. 過去13年間に, 我々が経験した反回神経麻痺症例について, 臨床統計的観察を行い若干の知見を得たので報告する. [対象] 対象は1975年5月から1988年6月までの13年間に, 近畿大学医学部附属病院耳鼻咽喉科外来を受診し, 反回神経麻痺と診断された300症例である. [結果] 1. 年度別症例数 図1は, 年度別症例数を示す. 1975年から1978年までの約4年間は年間20例以下であるが, 1979年以降は年間20例から30例の間に分布している. 年間平均は23例である. 2. 性別・年齢別分布 図2は, 性別・年齢別分布を示す. 男性167例(55.7%), 女性133例(44.3%)で, 約1.3倍の頻度で男性が多い.
ISSN:0915-6127
2185-4696
DOI:10.5426/larynx1989.1.2_139