骨量ファントムを用いた内耳道壁の骨塩量の測定

「緒言」聴神経腫瘍による内耳道拡大はよく知られているが, 我々は下前庭神経由来の21症例において内耳道孔を構成する後壁の骨隆起が主に消失すること, そして内耳道孔に比べて内耳道底の変化が少ないことを報告した1). 内耳道底に比べて内耳道孔が早期に拡大する原因は腫瘍本体の問題, すなわち腫瘍の内耳道内における発生部位や腫瘍の増大方向の問題が関与するとされている2)3)4). しかし我々は腫瘍本体の問題だけでなく, 腫瘍周囲を構成する内耳道骨壁の問題も関与しているのではないかと考えた. つまり内耳道孔の"骨壁硬度"が内耳道底のそれに比べて低く, そのため腫瘍の増大に際して抵抗の...

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Veröffentlicht in:日本耳鼻咽喉科学会会報 1993-04, Vol.96 (4), p.609-733
Hauptverfasser: 辺土名仁, 佐藤玲子, 村岡秀樹, 小松崎篤
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Zusammenfassung:「緒言」聴神経腫瘍による内耳道拡大はよく知られているが, 我々は下前庭神経由来の21症例において内耳道孔を構成する後壁の骨隆起が主に消失すること, そして内耳道孔に比べて内耳道底の変化が少ないことを報告した1). 内耳道底に比べて内耳道孔が早期に拡大する原因は腫瘍本体の問題, すなわち腫瘍の内耳道内における発生部位や腫瘍の増大方向の問題が関与するとされている2)3)4). しかし我々は腫瘍本体の問題だけでなく, 腫瘍周囲を構成する内耳道骨壁の問題も関与しているのではないかと考えた. つまり内耳道孔の"骨壁硬度"が内耳道底のそれに比べて低く, そのため腫瘍の増大に際して抵抗の弱い内耳道孔が容易に拡大するのではないかと考えた. そこで骨形成の一要因であり, 骨硬度の目安となる骨壁のカルシウム量を指標に, 正常成人の内耳道各部位の骨硬度の相異について検討した. 「対象と方法」対象はめまい, 耳鳴, 難聴等の自覚症状や耳疾患の既往がなく, 標準純音聴力検査も正常である成人20名, 40耳とした.
ISSN:0030-6622
DOI:10.3950/jibiinkoka.96.609