慢性血清病(BSA腎炎)におけるラット蝸牛の組織学的研究

「はじめに」 全身性エリテマトーデス, 慢性関節リウマチ, 反復性多発性軟骨炎, 結節性動脈周囲炎, ベーチェット病, ウエゲナー肉芽腫症などの自己免疫疾患に感音難聴が合併する例があることが知られ, さらにMcCabe1)はステロイドや免疫抑制剤の投与による治療に反応する感音難聴を自己免疫性感音難聴と報告し, 神崎ら2)3)は全身的に自己免疫疾患がみられない例でステロイド投与に反応する感音難聴をステロイド依存性感音難聴として報告している. 近年免疫複合体と感音難聴との関係が推定され免疫異常に関連する急性高度難聴の診断基準も考慮されている4). また, Quickら5)やArnoldら6)の報告...

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Veröffentlicht in:日本耳鼻咽喉科学会会報 1991-05, Vol.94 (5), p.693-763
Hauptverfasser: 畠山直登, 小出純一, 福田成司, 横井久, 柳田則之
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「はじめに」 全身性エリテマトーデス, 慢性関節リウマチ, 反復性多発性軟骨炎, 結節性動脈周囲炎, ベーチェット病, ウエゲナー肉芽腫症などの自己免疫疾患に感音難聴が合併する例があることが知られ, さらにMcCabe1)はステロイドや免疫抑制剤の投与による治療に反応する感音難聴を自己免疫性感音難聴と報告し, 神崎ら2)3)は全身的に自己免疫疾患がみられない例でステロイド投与に反応する感音難聴をステロイド依存性感音難聴として報告している. 近年免疫複合体と感音難聴との関係が推定され免疫異常に関連する急性高度難聴の診断基準も考慮されている4). また, Quickら5)やArnoldら6)の報告や, アミノ配糖体抗生物質に対する受傷性, Alport症候群のように両者にわたる障害のみられる例があるなど内耳と腎には類似性がみられる. 当教室においてもYanagitaら7)が低補体性腎炎として加療中に比較的急速に高度感音難聴を呈した例を経験しており, 内耳と腎との関係には興味深いものがある.
ISSN:0030-6622