Jannetta手術後の聴覚障害

「I. はじめに」 従来顔面痙攣の治療には種々の薬物療法, アルコールブロック, あるいは部分的神経切断術が行われていたが, 1975年Jannettaが顕微鏡下の神経血管減荷術(microvascular decompression)を確立してから, 以後本症の治療にはこの術式が多く行われるようになり治癒率も著しく向上している. 現在神経血管減荷術は脳神経外科領域において広く普及し多数の報告が見られ, また最近ではその適応がめまい, 耳鳴などの例にも拡大される傾向にある. しかしこの手術には時として術後の聴力障害, 平衡障害, 顔面神経麻痺などの合併症が生ずることが問題とされており, この合...

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Veröffentlicht in:日本耳鼻咽喉科学会会報 1991-05, Vol.94 (5), p.657-761
Hauptverfasser: 村井和夫, 近芳久, 小原能和, 立木孝, 河嶋寛, 斉木巌
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「I. はじめに」 従来顔面痙攣の治療には種々の薬物療法, アルコールブロック, あるいは部分的神経切断術が行われていたが, 1975年Jannettaが顕微鏡下の神経血管減荷術(microvascular decompression)を確立してから, 以後本症の治療にはこの術式が多く行われるようになり治癒率も著しく向上している. 現在神経血管減荷術は脳神経外科領域において広く普及し多数の報告が見られ, また最近ではその適応がめまい, 耳鳴などの例にも拡大される傾向にある. しかしこの手術には時として術後の聴力障害, 平衡障害, 顔面神経麻痺などの合併症が生ずることが問題とされており, この合併症に関する報告も少なくない. 今回我々は顔面痙攣症に行われた神経血管減荷術後に見られた合併症, 特に聴覚障害を中心に検討したので報告する. 「II. 対象と方法」 対象は1982年1月から1989年3月までに本学脳神経外科で手術を受けた顔面痙攣症119例の中で, 術前術後に純音聴力検査を行った男性19例, 女性38例計57例である.
ISSN:0030-6622