カリウムイオン内耳内導入の迷路組織並びに機能に及ぼす影響に関する研究
外リンパ高カリウム化が迷路機能並びに感覚上皮に及ぼす影響を知る目的で, モルモットにイオントフォレーゼ法でK+を内耳内に導入し経時的変化を考慮し検討した. 前庭系では刺激性眼振の出現後, 静止期を経て麻痺性眼振が出現し, 偏倚も二相性に変化した. 半規管膨大部稜感覚細胞のSDH活性も二相性を呈したが, paralytic stage初期においても活性が強く現われ, 生理学的な二相性との間に位相のずれを生じた. 形態学的にはどのstageにおいても著明な変化はみられなかった. 聴力についてはK+導入直後よりAp振幅の低下をきたし, コルチ器有毛細胞のSDH活性も興奮期を示すことなく徐々に低下し,...
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Veröffentlicht in: | 日本耳鼻咽喉科学会会報 1987, Vol.90 (1), p.90-100 |
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Hauptverfasser: | , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 外リンパ高カリウム化が迷路機能並びに感覚上皮に及ぼす影響を知る目的で, モルモットにイオントフォレーゼ法でK+を内耳内に導入し経時的変化を考慮し検討した. 前庭系では刺激性眼振の出現後, 静止期を経て麻痺性眼振が出現し, 偏倚も二相性に変化した. 半規管膨大部稜感覚細胞のSDH活性も二相性を呈したが, paralytic stage初期においても活性が強く現われ, 生理学的な二相性との間に位相のずれを生じた. 形態学的にはどのstageにおいても著明な変化はみられなかった. 聴力についてはK+導入直後よりAp振幅の低下をきたし, コルチ器有毛細胞のSDH活性も興奮期を示すことなく徐々に低下し, 二相性を呈することはなかった. |
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ISSN: | 0030-6622 |