出血性胃十二指腸潰瘍に対するクリニカルパス作成の試み(第二報)~アルゴリズムパスへの進化

「要旨」ケア内容や入院期間を固定した初版出血性胃十二指腸潰瘍パス(以下初版パス)の使用経験より, 経過により経路を変更できるパスの形式が望ましいと考えられたため, 今回, 治療アルゴリズムを取り入れた第二版パスに改定した. 緊急内視鏡検査で出血性潰瘍(胃潰瘍, 十二指腸潰瘍, 吻合部潰瘍)と診断された入院症例を対象とし, 診断時から退院までの期間を, 止血確認期, 潰瘍治癒促進前期・後期, 退院準備期の各ステップに分け, 治療アルゴリズムにより次のステップとそのステップの日数が決定される形式のパスとした. 第二版パスによる入院期間は5日~14日の幅を持つことになった. 平成15年6月から同年1...

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Veröffentlicht in:日本クリニカルパス学会誌 2004-07, Vol.6 (1), p.23-29
Hauptverfasser: 高橋周史, 河田英里, 平田育大, 朴義男, 三好朗子, 大志万芽久美, 吉川敏一
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」ケア内容や入院期間を固定した初版出血性胃十二指腸潰瘍パス(以下初版パス)の使用経験より, 経過により経路を変更できるパスの形式が望ましいと考えられたため, 今回, 治療アルゴリズムを取り入れた第二版パスに改定した. 緊急内視鏡検査で出血性潰瘍(胃潰瘍, 十二指腸潰瘍, 吻合部潰瘍)と診断された入院症例を対象とし, 診断時から退院までの期間を, 止血確認期, 潰瘍治癒促進前期・後期, 退院準備期の各ステップに分け, 治療アルゴリズムにより次のステップとそのステップの日数が決定される形式のパスとした. 第二版パスによる入院期間は5日~14日の幅を持つことになった. 平成15年6月から同年12月までの期間に第二版パスを使用したところ, 重症から軽症まで幅広い症例に使用され, パス使用率は87.5%(32例中28例)となり, 初版パスの58.1%(62例中36例)に比し有意に増加した(p<0.05). パス使用症例の平均在院日数は10.7日(5~19日), バリアンス症例は17.9%(28例中5例)の成績であり, アルゴリズムをとりいれることにより, 合理的で利便性の高いパスになったと評価できた. 今後, アルゴリズムの分岐条件の評価と改善を繰り返すことにより, より至適なアルゴリズムパスへの進化が期待できる.
ISSN:2187-6592