O-1 破骨前駆細胞の浸潤抑制による抗フラクタルカイン抗体の関節破壊抑制効果
フラクタルカイン(FKN)/CX3CL1は,活性化した血管内皮細胞で誘導される細胞膜結合型ケモカインであり,細胞接着分子と細胞遊走因子の2つの機能を併せ持つ.現在,ヒト化抗FKNモノクローナル抗体(E6011)の関節リウマチ患者を対象とした臨床第1/2相試験が世界に先駆け本邦で進行中であり,臨床的有効性が示唆されている (NCT02196558).本研究では,マウスコラーゲン誘発関節炎(CIA)モデルにおける抗FKN抗体の関節破壊に対する効果とその作用機序について検討した.抗FKN抗体の投与により,関節炎スコアや軟X線スコアの抑制,病理学的な解析から滑膜炎とパンヌス形成の抑制,さらに骨・軟...
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Veröffentlicht in: | 日本臨床免疫学会会誌 2017, Vol.40(4), pp.296a-296a |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | フラクタルカイン(FKN)/CX3CL1は,活性化した血管内皮細胞で誘導される細胞膜結合型ケモカインであり,細胞接着分子と細胞遊走因子の2つの機能を併せ持つ.現在,ヒト化抗FKNモノクローナル抗体(E6011)の関節リウマチ患者を対象とした臨床第1/2相試験が世界に先駆け本邦で進行中であり,臨床的有効性が示唆されている (NCT02196558).本研究では,マウスコラーゲン誘発関節炎(CIA)モデルにおける抗FKN抗体の関節破壊に対する効果とその作用機序について検討した.抗FKN抗体の投与により,関節炎スコアや軟X線スコアの抑制,病理学的な解析から滑膜炎とパンヌス形成の抑制,さらに骨・軟骨破壊の強い抑制とTRAP陽性破骨細胞の明確な減少が認められた.そこで,CIAの骨破壊におけるFKN-CX3CR1経路の関与を検討した.まず,破骨前駆細胞は骨髄由来CX3CR1陽性CD115陽性細胞であり,これら細胞がin vitro及びin vivoで破骨細胞に分化することを確認した.次に,蛍光標識した破骨前駆細胞をCIA発症マウスに移入したところ,抗FKN抗体投与により破骨前駆細胞の関節組織内への浸潤が顕著に抑制された.以上の結果から,FKN-CX3CR1経路はCIAの関節骨破壊の過程において,破骨前駆細胞の浸潤に直接的に関与することが示された.E6011によるFKN-CX3CR1系路の阻害は,関節局所における炎症性滑膜炎と関節破壊抑制作用を併せ持つ新たな治療戦略になると期待される. |
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ISSN: | 0911-4300 1349-7413 |
DOI: | 10.2177/jsci.40.296a |