P7-006 天然PPARγリガンドによる滑膜細胞の脂肪分化誘導と関節リウマチ治療への応用

【目的】関節リウマチにおいて,滑膜細胞はマトリックスメタロプロテイナーゼ(MMPs)を産生し,関節組織破壊をもたらす.我々は,滑膜細胞からのMMPs産生抑制の手段の一つとして,滑膜細胞を人為的に脂肪分化誘導することが有効であると考えている.本研究では植物由来PPARγ ligandであるArterpilin-C(ART)とMagnolol(MGN)を用いて滑膜細胞の脂肪分化誘導を試み,分化誘導後のMMPs産生抑制効果を確認した.【方法】関節リウマチ患者由来滑膜細胞はArticular Engineeringより購入し,ARTとMGNは中部大学大学院応用生物学研究科より提供をうけた.滑膜細胞はデ...

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Veröffentlicht in:日本臨床免疫学会会誌 2014, Vol.37(4), pp.363b-363b
Hauptverfasser: 山崎, 聡士, 禹, 済泰, 熊谷, 和彦, 野島, 祟樹, 杉山, 英二
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:【目的】関節リウマチにおいて,滑膜細胞はマトリックスメタロプロテイナーゼ(MMPs)を産生し,関節組織破壊をもたらす.我々は,滑膜細胞からのMMPs産生抑制の手段の一つとして,滑膜細胞を人為的に脂肪分化誘導することが有効であると考えている.本研究では植物由来PPARγ ligandであるArterpilin-C(ART)とMagnolol(MGN)を用いて滑膜細胞の脂肪分化誘導を試み,分化誘導後のMMPs産生抑制効果を確認した.【方法】関節リウマチ患者由来滑膜細胞はArticular Engineeringより購入し,ARTとMGNは中部大学大学院応用生物学研究科より提供をうけた.滑膜細胞はデキサメサゾン含有培地にARTあるいはMGNを加えて培養し,培地は3日おきに交換した.脂肪分化誘導の確認は脂質の蓄積とFatty acid binding proteinの発現確認により行った.PPARγ発現はウェスタンブロッティングにて確認した.MMPs発現はReal time PCRにて行った.【結果】ARTとMGNによる培養により,1週後には滑膜細胞内脂肪滴が確認された.この分化誘導にはデキサメサゾンを要するが,最小デキサメサゾン濃度は10−7Mであり,この濃度のデキサメサゾンによりFLSにおけるPPARγ発現が明らかに亢進していた.分化誘導後にはMMP-1, -2のmRNA発現が低下していた.【結論】我々が想定している関節リウマチに対する滑膜脂肪分化誘導療法のツールとして,ARTとMGNは有用であると考えられる.
ISSN:0911-4300
1349-7413
DOI:10.2177/jsci.37.363b