胎児期より進行性の脳実質障害を認めたCOL4A1遺伝子変異の1例

COL4A1遺伝子は,IV型コラーゲンのうち最も普遍的に認められるα1鎖をコードする.遺伝子変異により微小血管の脆弱性をもたらし,胎児期〜出生後の脳血管障害,眼球,腎臓,筋肉などの多系統の臓器に異常をきたす.胎生期より進行性の脳実質障害,孔脳症,小脳低形成を認め,出生後に基底核出血,小眼球,白内障を認めたCOL4A1遺伝子異常の症例を経験した.胎児期の脳血管障害により,裂脳症,孔脳症を認めることはよく知られているが,胎児期より進行性の脳実質障害を経時的な画像変化で確認できた症例は稀である.本疾患では,易出血性を認め,分娩による頭蓋内出血を来すことはよく知られており,胎生期の画像より本疾患の鑑別...

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Veröffentlicht in:日本周産期・新生児医学会雑誌 2023, Vol.59(2), pp.282-288
Hauptverfasser: 林, 希望, 林, 誠司, 松沢, 麻衣子, 松沢, 要, 鈴木, 健史, 加藤, 徹
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:COL4A1遺伝子は,IV型コラーゲンのうち最も普遍的に認められるα1鎖をコードする.遺伝子変異により微小血管の脆弱性をもたらし,胎児期〜出生後の脳血管障害,眼球,腎臓,筋肉などの多系統の臓器に異常をきたす.胎生期より進行性の脳実質障害,孔脳症,小脳低形成を認め,出生後に基底核出血,小眼球,白内障を認めたCOL4A1遺伝子異常の症例を経験した.胎児期の脳血管障害により,裂脳症,孔脳症を認めることはよく知られているが,胎児期より進行性の脳実質障害を経時的な画像変化で確認できた症例は稀である.本疾患では,易出血性を認め,分娩による頭蓋内出血を来すことはよく知られており,胎生期の画像より本疾患の鑑別を行うことは有意義であると考えられる.
ISSN:1348-964X
2435-4996
DOI:10.34456/jjspnm.59.2_282