腹腔鏡下Narrow Band Imagingによる胆嚢漿膜面の観察―preliminary study
胆嚢癌の深達度診断は至適手術術式の決定に重要であるが,従来の術前・術中診断には限界がある.われわれは,術中に胆嚢の漿膜面から透見できる小血管の変化に着目し,深達度診断の正診率向上に寄与できるのではないかと考えた.そこで今回,胆嚢癌手術症例10例に対して,腹腔鏡下にNBI観察を行い,術中深達度診断の可能性について検討を行った.術中NBI観察で7例に陽性所見(拡張,屈曲蛇行,途絶,不均質性)を認め,病理組織診断ではいずれも深達度ssかつ脈管侵襲陽性と診断された.一方,陽性所見を認めなかった3例では深達度mpまたは,脈管侵襲を伴わない深達度ssの病理診断であった.腹腔鏡による拡大視効果に加えNBIを...
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Veröffentlicht in: | 胆道 2017/12/31, Vol.31(5), pp.802-808 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
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Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 胆嚢癌の深達度診断は至適手術術式の決定に重要であるが,従来の術前・術中診断には限界がある.われわれは,術中に胆嚢の漿膜面から透見できる小血管の変化に着目し,深達度診断の正診率向上に寄与できるのではないかと考えた.そこで今回,胆嚢癌手術症例10例に対して,腹腔鏡下にNBI観察を行い,術中深達度診断の可能性について検討を行った.術中NBI観察で7例に陽性所見(拡張,屈曲蛇行,途絶,不均質性)を認め,病理組織診断ではいずれも深達度ssかつ脈管侵襲陽性と診断された.一方,陽性所見を認めなかった3例では深達度mpまたは,脈管侵襲を伴わない深達度ssの病理診断であった.腹腔鏡による拡大視効果に加えNBIを用いて血管の構造異常を識別し,今後症例を蓄積して行くことにより,簡便な術中の進達度診断が可能になることが期待される. |
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ISSN: | 0914-0077 1883-6879 |
DOI: | 10.11210/tando.31.802 |