胆嚢隆起性病変の画像診断―良悪性の鑑別診断

胆嚢隆起性病変の画像所見を概説した.非腫瘍性疾患にはコレステロールポリープ,過形成性ポリープ,胆嚢腺筋腫症,炎症性ポリープ,腫瘍性病変には腺腫,胆嚢癌などがある.US,EUS,CT,MRIはコレステロールポリープや胆嚢腺筋腫症などにおいて,典型的な画像所見を認めれば鑑別診断に有用な画像診断法である.しかし,10 mm以上のコレステロールポリープなどでは内部エコーが実質様エコーを呈してくるため,典型的な所見が得られなくなる.また,小さなRASを有する胆嚢腺筋腫症では,microcystic areaの検出が困難となり,腫瘍性病変との鑑別が困難となる.大きさに比例して胆嚢癌の占める割合が増加するた...

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Veröffentlicht in:胆道 2015/03/31, Vol.29(1), pp.94-102
Hauptverfasser: 三好, 広尚, 乾, 和郎, 芳野, 純治, 小林, 隆, 山本, 智支, 松浦, 弘尚
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:胆嚢隆起性病変の画像所見を概説した.非腫瘍性疾患にはコレステロールポリープ,過形成性ポリープ,胆嚢腺筋腫症,炎症性ポリープ,腫瘍性病変には腺腫,胆嚢癌などがある.US,EUS,CT,MRIはコレステロールポリープや胆嚢腺筋腫症などにおいて,典型的な画像所見を認めれば鑑別診断に有用な画像診断法である.しかし,10 mm以上のコレステロールポリープなどでは内部エコーが実質様エコーを呈してくるため,典型的な所見が得られなくなる.また,小さなRASを有する胆嚢腺筋腫症では,microcystic areaの検出が困難となり,腫瘍性病変との鑑別が困難となる.大きさに比例して胆嚢癌の占める割合が増加するため,典型的な画像所見を呈さない10 mm以上の隆起性病変では胆嚢摘出術が考慮される.近年,MRI拡散強調像,超音波造影剤を用いたUS,EUSなど新たな画像診断が行われ,良好な成績が報告されており,今後,さらなる診断の向上が期待される.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando.29.94