肝切除術式選択に苦慮し肝左三区域尾状葉切除兼膵頭十二指腸切除を施行した広範囲胆管癌の1例

症例は57歳の男性.黄疸を主訴に当院紹介入院となった.腹部MDCTで肝内胆管の拡張と肝門部胆管の肥厚狭窄像を認めた.門脈は右後区域枝が先行分枝し,右門脈前区域枝と左門脈分岐部頭側で腫瘍の浸潤が疑われた.胆道造影で肝門部胆管から下部胆管にかけて狭窄像を認めた.残肝容積や右後区域門脈枝が先行分枝している本症例の解剖学的特異性等を勘案し,肝左三区域·尾状葉切除·幽門輪温存膵頭十二指腸切除を施行した.病理学的検討では,広範囲胆管癌で肝直接浸潤,膵実質浸潤を認めた.肝切除術式の決定において根治性と手術の安全性を両立させるため,肝切除術式決定に苦慮した一例を経験した....

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Veröffentlicht in:胆道 2009, Vol.23(2), pp.217-222
Hauptverfasser: 水野, 隆史, 江畑, 智希, 小田, 高司, 西尾, 秀樹, 横山, 幸浩, 梛野, 正人
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:症例は57歳の男性.黄疸を主訴に当院紹介入院となった.腹部MDCTで肝内胆管の拡張と肝門部胆管の肥厚狭窄像を認めた.門脈は右後区域枝が先行分枝し,右門脈前区域枝と左門脈分岐部頭側で腫瘍の浸潤が疑われた.胆道造影で肝門部胆管から下部胆管にかけて狭窄像を認めた.残肝容積や右後区域門脈枝が先行分枝している本症例の解剖学的特異性等を勘案し,肝左三区域·尾状葉切除·幽門輪温存膵頭十二指腸切除を施行した.病理学的検討では,広範囲胆管癌で肝直接浸潤,膵実質浸潤を認めた.肝切除術式の決定において根治性と手術の安全性を両立させるため,肝切除術式決定に苦慮した一例を経験した.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando.23.217