経皮的胆道ドレナージにおけるチューブ逸脱例の検討

1980年から1987年に経験したPTBD症例346例,405回を対象に,ドレナージチューブの腹腔内逸脱例の検討を行った.逸脱は19症例で22回(5.4%)にみられた,PTBDの方式別にみると,前腹壁二管法では10/257(3.9%),前腹壁一管法では0/69(0.0%),右側胸壁法では12/79(15.2%)であった.胆管の閉塞部位別には逸脱率に差は認められなかった.チューブの逸脱のために5例に胆汁性腹膜炎を合併した.今回の検討から,右側胸壁法に比べて前腹壁法はドレナージチューブの逸脱が少ないことがわかった.PTBDの手技選択にあたっては逸脱例の少ない前腹壁一管法を第一選択にすべきであると考...

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Veröffentlicht in:胆道 1989/10/25, Vol.3(4), pp.421-426
Hauptverfasser: 武田, 功, 中野, 哲, 熊田, 卓, 杉山, 恵一
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:1980年から1987年に経験したPTBD症例346例,405回を対象に,ドレナージチューブの腹腔内逸脱例の検討を行った.逸脱は19症例で22回(5.4%)にみられた,PTBDの方式別にみると,前腹壁二管法では10/257(3.9%),前腹壁一管法では0/69(0.0%),右側胸壁法では12/79(15.2%)であった.胆管の閉塞部位別には逸脱率に差は認められなかった.チューブの逸脱のために5例に胆汁性腹膜炎を合併した.今回の検討から,右側胸壁法に比べて前腹壁法はドレナージチューブの逸脱が少ないことがわかった.PTBDの手技選択にあたっては逸脱例の少ない前腹壁一管法を第一選択にすべきであると考える.右肝管の閉塞例などの前腹壁一管法が応用しにくい例では前腹壁二管法を用いるとよい.右側胸壁法を用いる場合には,逸脱の頻度が高いので逸脱防止のための工夫が必要である.
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando1987.3.4_421