胆嚢に発生した節外性non-Hodgkin悪性リンパ腫の1治験例

著者らは,胆嚢に原発したと考えられる悪性リンパ腫の1手術例を経験したので報告する.症例は68歳の女性で,黄疸を主訴として他院に来院した.他院入院後PTCDを施行,肝門部より三管合流部にかけての上部胆管の狭窄が認められ,胆管癌と診断した。しかし1ヵ月後PTCDが自然抜去されたにもかかわらず,黄疸は増強せず,当院入院後のERCの結果でも胆管の狭窄は消失していたが,胆嚢頸部に陰影欠損が認められ,再度施行したPTCD後の選択的胆嚢造影でも,胆嚢頸部の陰影欠損が確認された. 術前診断は諸検査成績と考え合わせて胆嚢結石または胆嚢癌であった.手術所見では,胆嚢頸部には結石はないが硬い腫瘤が触知され,上部胆管...

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Veröffentlicht in:胆道 1987/06/30, Vol.1(1), pp.139-145
Hauptverfasser: 深井, 泰俊, 堀田, 敦夫, 桜井, 隆久, 白鳥, 常男, 大石, 元, 打田, 日出夫, 堤, 雅弘, 高橋, 精一, 小西, 陽一
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:著者らは,胆嚢に原発したと考えられる悪性リンパ腫の1手術例を経験したので報告する.症例は68歳の女性で,黄疸を主訴として他院に来院した.他院入院後PTCDを施行,肝門部より三管合流部にかけての上部胆管の狭窄が認められ,胆管癌と診断した。しかし1ヵ月後PTCDが自然抜去されたにもかかわらず,黄疸は増強せず,当院入院後のERCの結果でも胆管の狭窄は消失していたが,胆嚢頸部に陰影欠損が認められ,再度施行したPTCD後の選択的胆嚢造影でも,胆嚢頸部の陰影欠損が確認された. 術前診断は諸検査成績と考え合わせて胆嚢結石または胆嚢癌であった.手術所見では,胆嚢頸部には結石はないが硬い腫瘤が触知され,上部胆管周囲には特に異常はなく,No.12b2リンパ節の腫大が認められた.以上から胆嚢癌と診断し,拡大胆嚢摘出術,R2リンパ節郭清を行った.術後の組織学的検索にて,non-Hodgkin's malignant lymphomaと診断された。
ISSN:0914-0077
1883-6879
DOI:10.11210/tando1987.1.1_139