7. 40,50歳代における口腔内状態と咀嚼機能の関係

「I. 目的」本研究では, 歯の喪失, 歯周疾患をはじめとする複数の因子が口腔機能に及ぼす影響を分析し, 将来の口腔機能に対する変化を予測しうるパラメータを検索することを目的とした. 「II. 方法」岩手県内の5か所の歯科診療機関に通院している患者120名(男性54名, 女性66名, 平均年齢49.3歳)を対象に口腔内所見, 咬合力測定および質問表による調査を行い, 咀嚼機能に影響を及ぼす因子を検討した. 食品摂取状況と咀嚼満足度を咀嚼機能の評価パラメータとみなし, それぞれ説明変数とし, 年齢, 性別, 残存歯数, 咬合支持域数, 前歯咬合支持の有無, 咬合力, 咬合力の左右バランス, 咬合...

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Veröffentlicht in:日本補綴歯科学会雑誌 2001, Vol.45 (6), p.793-793
Hauptverfasser: 藤澤政紀, 武部純, 三善潤, 三善ふみ子, 高瀬真二, 石橋寛二
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「I. 目的」本研究では, 歯の喪失, 歯周疾患をはじめとする複数の因子が口腔機能に及ぼす影響を分析し, 将来の口腔機能に対する変化を予測しうるパラメータを検索することを目的とした. 「II. 方法」岩手県内の5か所の歯科診療機関に通院している患者120名(男性54名, 女性66名, 平均年齢49.3歳)を対象に口腔内所見, 咬合力測定および質問表による調査を行い, 咀嚼機能に影響を及ぼす因子を検討した. 食品摂取状況と咀嚼満足度を咀嚼機能の評価パラメータとみなし, それぞれ説明変数とし, 年齢, 性別, 残存歯数, 咬合支持域数, 前歯咬合支持の有無, 咬合力, 咬合力の左右バランス, 咬合接触面積, 前歯部歯周疾患程度, 臼歯部歯周疾患程度の10パラメータを説明変数として重回帰分析を行った. 「III. 結果と考察」量的データの平均値は, 食品摂取スコア92.5点(105点満点), 咀嚼満足度7.2点(10点満点), 残存歯数24.6本, 咬合支持域数3.3か所, 咬合力1444.9N, 咬合接触面積40.4mm2であった. 質的データとしては, 軽度歯周炎が前歯部で93名, 臼歯部で60名, 中等度以上の歯周炎が前歯部で27名, 臼歯部で60名であった. ステップワイズ法による重回帰分析の結果, 食品摂取スコアを目的変数とした分析では咬合力と前歯部の歯周疾患の影響が高く, 咀嚼満足度を目的変数とした場合は残存歯数の影響が高かった. 本研究結果は, 歯と咬合の長期的維持管理に関する予防法と治療法の効率を向上させる方策を構築する上での貴重なデータになるものと考える.
ISSN:0389-5386