30. プロソスケールを用いた総義歯模型実習
「I. 目的」演者らの講座では, 総義歯の診査および製作に役立つ臨床的な装置であるプロソスケールを開発し, 臨床に利用している1). この装置を利用すると, 顎下上の切歯乳頭や歯槽頂などの解剖的な指標に基づいた咬合堤の設計と製作が簡単に行える. また, 排列した人工歯の顎堤に対する位置確認も容易である. そこで, 平成9年工学部学生の総義歯模型実習にプロソスケールを導入した. 本発表では, 実習内容と導入結果について報告する. 「II. 実習方法」作業模型は, 無歯顎模型(ニッシン社製G2-DP45)の基底面をプロソスケールに設置できるようなスプリットキャスト形態に改良したものである. 作業模...
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Veröffentlicht in: | 日本補綴歯科学会雑誌 1998, Vol.42 (6), p.1131-1131 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 「I. 目的」演者らの講座では, 総義歯の診査および製作に役立つ臨床的な装置であるプロソスケールを開発し, 臨床に利用している1). この装置を利用すると, 顎下上の切歯乳頭や歯槽頂などの解剖的な指標に基づいた咬合堤の設計と製作が簡単に行える. また, 排列した人工歯の顎堤に対する位置確認も容易である. そこで, 平成9年工学部学生の総義歯模型実習にプロソスケールを導入した. 本発表では, 実習内容と導入結果について報告する. 「II. 実習方法」作業模型は, 無歯顎模型(ニッシン社製G2-DP45)の基底面をプロソスケールに設置できるようなスプリットキャスト形態に改良したものである. 作業模型をプロソスケールに設置し, 顎堤の解剖的指標を描記プレートに記入し, 咬合堤咬合面部を設計する. 咬合堤外形は, 設計に一致するようにプロソスケールで確認しながら咬合堤を製作する. 咬合堤の高さは, 可動プレートの高さによって決定される. 人工歯排列後に再度プロソスケールに設置し排列位置の確認を行う. 「III. 結果と考察」プロソスケールを用いることによって, 顎堤に対する咬合堤や人工歯の水平的な位置に関する学生の理解が深まった. また, 教員による咬合堤の良否の判断も簡単になった. さらに, 咬合堤の製作時間が短縮した. 一方, 咬合堤唇面を切歯乳頭から10mm前方にすると前突傾向の強い咬合堤となること, 実際の人工歯排列位置は咬合堤よりも唇側あるいは頬側に排列する学生が多かったこと, 上下顎ともに第一小臼歯は歯槽頂線よりも頬側に位置することなどが判明した. 「IV. 文献」1)柿本和俊, 森口 愛, 氷見彰敏ほか. 新しく開発した総義歯診査装置(プロソスケール)を用いた総義歯製作. 補綴臨床30:607-616, 1997. |
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ISSN: | 0389-5386 |