9. C-POSTTMで支台築造した抜去歯の破壊強度について
我が国では失活歯の歯冠補綴処置を行うにあたり, 一般に鋳造による支台築造, または既製金属ポスト併用のレジン支台築造が行われている. 補綴処置後のトラブルとして, 築造体の脱離や歯根破折など, 支台築造に関連したものが多くみうけられる. 今回, 演者らは弾性係数が歯根象牙質と近似しているため, 歯根破折を防ぐとされるカーボンファイバー製既製ポストを応用した支台築造システム, Bisco社製C-POSTTM SYSTEMを入手する機会を得た. 本研究では, このシステムで支台築造した抜去歯の破壊強度を市販のステンレススチール製既製ポスト, クラレ社製AD POST IIを用いた場合と比較検討した...
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Veröffentlicht in: | 日本補綴歯科学会雑誌 1998, Vol.42 (6), p.1113-1113 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 我が国では失活歯の歯冠補綴処置を行うにあたり, 一般に鋳造による支台築造, または既製金属ポスト併用のレジン支台築造が行われている. 補綴処置後のトラブルとして, 築造体の脱離や歯根破折など, 支台築造に関連したものが多くみうけられる. 今回, 演者らは弾性係数が歯根象牙質と近似しているため, 歯根破折を防ぐとされるカーボンファイバー製既製ポストを応用した支台築造システム, Bisco社製C-POSTTM SYSTEMを入手する機会を得た. 本研究では, このシステムで支台築造した抜去歯の破壊強度を市販のステンレススチール製既製ポスト, クラレ社製AD POST IIを用いた場合と比較検討した. 試料作製にはヒト抜去下顎第一小臼歯を使用した. プラスチックリングに歯根部を包埋した後, 支台歯を解剖学的歯頚線で切断, ポストホール形成を行った. レジンコアーの築盛はメーカー指示の歯面処理後, C-POSTTMでは指定のBisco社製BIS-CORETMを, AD POST IIではクラレ社製Clearfil00. DC COREを使用した. コアー部の高さは6mm, マージンの位置は歯質と築造用レジンの境界部とし, 全部鋳造冠を想定した支台形態とした. 作製した試料は専用の治具に固定し, インストロン万能試験機にて舌側から歯軸に対し垂直方向に加重し, 破壊強度試験を行った. 時間-荷重曲線での最大値を破壊強度とした. C-POSTTMを用いてレジン支台築造した抜去歯の破壊強度は平均33.0kgf(SD 5.0), AD POST IIでは平均30.5 kgf(SD4.8)であった. C-POSTTM試料では, 荷重の増加に伴い, 荷重側のレジンコアーと歯質との界面付近で亀裂が発生し, 同時に根面中央部より根尖側方向へ亀裂が発生した. AD POST II試料では, 荷重側のレジンコアーと歯質の界面付近で一旦亀裂が発生した後, しばらく時間をおいて歯根部にも亀裂が入り, 歯根破折に至った. C-POSTTM試料とAD POSTTM試料の間には破壊強度に大きな差は認められなかったが, 歯根破折に至るまでのパターンに違いが認められた. また, 今回の実験ではC-POSTTMの歯根破折防止効果は確認できなかった. |
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ISSN: | 0389-5386 |