1 1歳6カ月児歯科健診における齲蝕罹患と生活習慣について-齲蝕ハイ・リスク児のスクリーニングついて
乳幼児の歯科健診においては, 齲蝕等の口腔疾患の早期発見とともに, 齲蝕にハイ・リスクな小児をスクリーニングして, 相談・指導などの対応をはかり, 齲蝕発生の予防を行っていくことが重要である. 今回我々は, 都内保健所の歯科健診を受診した小児について, 口腔診査と生活習慣に関するアンケートの結果から, 齲蝕にハイ・リスクな小児のスクリーニングについて分析・検討を行った. 対象は, 平成3年度に都内保健所の1歳6ヵ月児歯科健診を受診した小児838名である. これらの小児の1歳6ヵ月時の口腔診査と保護者へのアンケート調査結果から, 口腔内状態と生活習慣に関する情報を得た. また齲蝕活動性の評価とし...
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Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 1994, Vol.32 (1), p.202-202 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 乳幼児の歯科健診においては, 齲蝕等の口腔疾患の早期発見とともに, 齲蝕にハイ・リスクな小児をスクリーニングして, 相談・指導などの対応をはかり, 齲蝕発生の予防を行っていくことが重要である. 今回我々は, 都内保健所の歯科健診を受診した小児について, 口腔診査と生活習慣に関するアンケートの結果から, 齲蝕にハイ・リスクな小児のスクリーニングについて分析・検討を行った. 対象は, 平成3年度に都内保健所の1歳6ヵ月児歯科健診を受診した小児838名である. これらの小児の1歳6ヵ月時の口腔診査と保護者へのアンケート調査結果から, 口腔内状態と生活習慣に関する情報を得た. また齲蝕活動性の評価としてカリオスタットの判定結果を用いた. さらに同一対象児の3歳時点での齲蝕罹患の有無を調査した. 平成3年度の1歳6ヵ月児の齲蝕罹患者率は13.7%であり, 齲蝕の有無と有意な関連がみられた口腔内状態はカリオスタット値と乳歯萌出歯数, 生活習慣は哺乳習慣の継続の有無とその内容, 就寝前飲用習慣, スポーツ飲料の摂取状況等であった. また1歳6ヵ月児の齲蝕活動性の高低に関連がみられたのは, 哺乳の継続状況で, 母乳, 哺乳ビンともに中断時期が遅い者ほどカリオスタット値の高い者が多くみられた. さらに, 平成3年度の1歳6ヵ月児が7歳になった時点での齲蝕罹患と, 1歳6ヵ月時の口腔内状態, 生活習慣との関連をみると, 1歳6ヵ月で無齲蝕だった小児に関しては, 母乳の継続状況のみが有意な関連間示した. また, 1歳6ヵ月時点のO1, O2型の分類やカリオスタット値, 生活習慣等をスクリーニング基準として3歳時の齲蝕発生の有無の判別性をみると, いずれも有効度はあまり高くなく, 健診後の生活習慣の変化や, 口腔の形態的要因を考慮する必要があることが示唆された. |
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ISSN: | 0583-1199 |