2 小児の着色歯に関する研究 その1 乳歯歯質内にみられる螢光線(Tetracycline)の出現率について
乳歯の着色を主訴として来院する小児患者は少なくない. 着色による審美的障害だけにとどまらず, 歯の形成障害を伴っていたり, さらに精神的な負担となっている場合が観察される. このような乳歯着色の原因の1つにテトラサイクリン系物質の歯質内への沈着があげられる. テトラサイクリンによる着色歯の出現頻度については, Witkopはアメリカの都市の子どもで4.1%, 田舎の子どもで1.4%, 小児科に通院している子どもで21.2%であるとの報告や, Brearley et alのメルボルンの子どもに24.2%のテトラサイクリンによる着色歯を認めたという報告がある. 一方, Stewartは抜去した第1...
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Veröffentlicht in: | 小児歯科学雑誌 1974, Vol.12 (2), p.161-162 |
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Hauptverfasser: | , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 乳歯の着色を主訴として来院する小児患者は少なくない. 着色による審美的障害だけにとどまらず, 歯の形成障害を伴っていたり, さらに精神的な負担となっている場合が観察される. このような乳歯着色の原因の1つにテトラサイクリン系物質の歯質内への沈着があげられる. テトラサイクリンによる着色歯の出現頻度については, Witkopはアメリカの都市の子どもで4.1%, 田舎の子どもで1.4%, 小児科に通院している子どもで21.2%であるとの報告や, Brearley et alのメルボルンの子どもに24.2%のテトラサイクリンによる着色歯を認めたという報告がある. 一方, Stewartは抜去した第1大臼歯464歯の55%に, また第乳臼歯300歯の72%に組織学的な検査によってテトラサイクリンによる螢光を認め, 前述のBrearley et alは抜去した第1, 第2乳臼歯1,000歯の82%に組織学的に螢光を認めたと報告している. このように肉眼的には着色歯として認められなくても, 組織学的な検査によって螢光の認められる潜在的な着色歯がきわめて多くを占めているものと考えられる. そこで私たちは, 抜去された乳歯1,038歯を分割し, その割面を螢光検査灯ブラックライトF1-3L型(東芝)を用いて実体顕微鏡下で乳歯歯質内のテトラサイクリン系物質特有の螢光線の有無を観察し, 今回はその出現率を求めた. その結果, 出現率は35%であった. さらにこれらの歯の歯冠色をエナメル外表から分類し, その色調と, エナメル外表からの紫外線照射下でのテトラサイクリン系物質の螢光の出現状態ならびに前述の割面で認められた螢光線の条数との関連を比較検討したのでその結果について報告する. |
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ISSN: | 0583-1199 |