卵巣類肝細胞癌の一例とその診断・治療に関する報告のまとめ

「緒言」卵巣類肝細胞癌hepatoid carcinoma of the ovaryは婦人科悪性腫瘍において, 稀な疾患とされている. さらに, その診断は腫瘍の生物学的かつ組織学的な特徴より, 他臓器由来のがんとの鑑別が難しい場合がある. 今回我々は超音波検査で多発肝転移を認める原発不明癌として紹介され, 画像所見, 開腹所見そして病理組織学検査から類肝細胞癌と診断した一例を経験した. 術後には追加がん化学療法が施行されたが無効であり, 初診から6ヶ月で永眠された. 本稿では本症例の診断と治療の経過を紹介したうえで, 他家の報告を含め本疾患の診断と治療に関して報告する. 「症例」症例は59歳...

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Veröffentlicht in:秋田医学 2011, Vol.38 (2), p.75-79
Hauptverfasser: 下田勇輝, 利部徳子, 川原聡樹, 加藤充弘, 藤本俊郎, 寺田幸弘
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「緒言」卵巣類肝細胞癌hepatoid carcinoma of the ovaryは婦人科悪性腫瘍において, 稀な疾患とされている. さらに, その診断は腫瘍の生物学的かつ組織学的な特徴より, 他臓器由来のがんとの鑑別が難しい場合がある. 今回我々は超音波検査で多発肝転移を認める原発不明癌として紹介され, 画像所見, 開腹所見そして病理組織学検査から類肝細胞癌と診断した一例を経験した. 術後には追加がん化学療法が施行されたが無効であり, 初診から6ヶ月で永眠された. 本稿では本症例の診断と治療の経過を紹介したうえで, 他家の報告を含め本疾患の診断と治療に関して報告する. 「症例」症例は59歳の女性で, 妊娠分娩歴は4妊2産であった. 48歳時より子宮筋腫のため当科で経過観察中であった. 58歳時には大腸ポリープ切除術が施行されたが, 摘出標本には悪性所見は認めていない. 2008年8月から持続する便秘と右側腹部痛を主訴に同年11月に当院消化器科を受診した.
ISSN:0386-6106