特別支援学級在籍児童の漢字筆記学習における自己・他者評価が「正確な書字行動」に及ぼす効果

研究の目的 特別支援学級の児童における漢字の筆記学習において、自己評価・他者評価が正確な書字行動に及ぼす影響を検証した。研究計画 ABACフォローアップおよびABフォローアップデザインを用いた。場面 小学校内の特別支援学級の教室で授業として実施した。参加者 特別支援学級に在籍する児童(N=5)であった。独立変数の操作 自己評価の有無(介入Ⅰ)、および自己評価・教師評価とその一致に対する評価の有無(介入Ⅱ)であった。行動の指標 薄い灰色の線をなぞって書くトレース課題において、線からはみ出して筆記した画数の割合を算出した。結果 介入Ⅰにおいて教示期でははみ出しの減少が見られなかったが、自己評価期に...

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Veröffentlicht in:行動分析学研究 2019/08/31, Vol.34(1), pp.71-77
1. Verfasser: 河村, 優詞
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Beschreibung
Zusammenfassung:研究の目的 特別支援学級の児童における漢字の筆記学習において、自己評価・他者評価が正確な書字行動に及ぼす影響を検証した。研究計画 ABACフォローアップおよびABフォローアップデザインを用いた。場面 小学校内の特別支援学級の教室で授業として実施した。参加者 特別支援学級に在籍する児童(N=5)であった。独立変数の操作 自己評価の有無(介入Ⅰ)、および自己評価・教師評価とその一致に対する評価の有無(介入Ⅱ)であった。行動の指標 薄い灰色の線をなぞって書くトレース課題において、線からはみ出して筆記した画数の割合を算出した。結果 介入Ⅰにおいて教示期でははみ出しの減少が見られなかったが、自己評価期には大きく減少した。しかし自己評価をやめると再度はみ出しが増加し、自己評価が不正確であるケースもあった。介入Ⅱでは自己評価・教師による他者評価を実施したが、1名を除き介入開始後にはみ出しは減少し、介入終了後も増加しなかった。結論 自己・他者評価を含む介入は現場で実践しやすく、正確な書字行動を促しうる方法であると考えられる。ただし、介入効果の小さい児童も存在していたため、教授法のさらなる改善が必要である。
ISSN:0913-8013
2424-2500
DOI:10.24456/jjba.34.1_71