拡張型心筋症および虚血性心筋症症例の心室性不整脈に対するカルベジロールの効果
拡張型心筋症(DCM)および虚血性心筋症(ICM)症例に対して心不全治療目的に投与されたカルベジロールの心室性不整脈に対する効果を検討した. Holter心電図にて1時間当たり10以上の心室性期外収縮(PVC)を認めるDCM19例, ICM19例を対象に, カルベジロールを5~20mg/日の範囲で投与し, 投与前後のHolter心電図における平均心拍数, 1時間当たりのPVC数, 非持続性心室頻拍(NSVT)の最多連発数を比較した. カルベジロール投与後の平均心拍数は投与前に比べ有意に低下した. 投与前に6連発以上のNSVTを認めた例では投与後に最多連発数の有意な減少を認めた. 1時間当たりの...
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Veröffentlicht in: | 心電図 2004, Vol.24 (6), p.442-448 |
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Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
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Zusammenfassung: | 拡張型心筋症(DCM)および虚血性心筋症(ICM)症例に対して心不全治療目的に投与されたカルベジロールの心室性不整脈に対する効果を検討した. Holter心電図にて1時間当たり10以上の心室性期外収縮(PVC)を認めるDCM19例, ICM19例を対象に, カルベジロールを5~20mg/日の範囲で投与し, 投与前後のHolter心電図における平均心拍数, 1時間当たりのPVC数, 非持続性心室頻拍(NSVT)の最多連発数を比較した. カルベジロール投与後の平均心拍数は投与前に比べ有意に低下した. 投与前に6連発以上のNSVTを認めた例では投与後に最多連発数の有意な減少を認めた. 1時間当たりのPVC数には有意差を認めなかった. 左室駆出率は増加, 血清BNP値, 左室拡張末期径は減少を認めた. カルベジロールはDCM症例およびICM症例における心室性不整脈に対して有効である可能性が示唆された. 「I. はじめに」 慢性心不全治療におけるβ遮断薬の有用性は種々の大規模臨床試験の結果より明らかであり, そのなかでβ遮断薬投与により突然死のリスク低下をみた試験がいくつかみられる1)~3). 心不全症例における突然死の多くは心室頻拍, 心室細動といった頻脈性心室性不整脈によるものと考えられるが, 心不全治療において特に有用とされるカルベジロールの抗不整脈作用について検討した報告は少ない. 本研究の目的は慢性心不全症例に対して心不全治療目的に投与されたカルベジロールが心室性不整脈に与える影響を検討することである. |
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ISSN: | 0285-1660 |
DOI: | 10.5105/jse.24.442 |