アセチルコリンによるFragmented Atrial Activityの増加
細分化心房電気活動(Fragmented Atrial Activity:FAA)の心房細動発生・維持への関与に関する研究の一環として, FAA発現に対するアセチルコリン(ACh)の影響につき実験的検討を行った. 麻酔開胸犬8頭で右心房自由壁の円形領域の47または35点から双極エレクトログラムを同時記録した. 中心に, 200msec→有効不応期+1msecのS1-S2間隔で単発早期刺激を加え, AChを局所的に作用させた前後のFAA発現頻度・程度を比較した. ACh後には早期興奮のFAAの発現頻度が著しく増加, その程度が増強した. 次いで5頭でAChとジスチグミン(DSt)の併用前後のS1...
Gespeichert in:
Veröffentlicht in: | 心電図 2004, Vol.24 (1), p.40-48 |
---|---|
Hauptverfasser: | , , , , , , |
Format: | Artikel |
Sprache: | jpn |
Online-Zugang: | Volltext |
Tags: |
Tag hinzufügen
Keine Tags, Fügen Sie den ersten Tag hinzu!
|
Zusammenfassung: | 細分化心房電気活動(Fragmented Atrial Activity:FAA)の心房細動発生・維持への関与に関する研究の一環として, FAA発現に対するアセチルコリン(ACh)の影響につき実験的検討を行った. 麻酔開胸犬8頭で右心房自由壁の円形領域の47または35点から双極エレクトログラムを同時記録した. 中心に, 200msec→有効不応期+1msecのS1-S2間隔で単発早期刺激を加え, AChを局所的に作用させた前後のFAA発現頻度・程度を比較した. ACh後には早期興奮のFAAの発現頻度が著しく増加, その程度が増強した. 次いで5頭でAChとジスチグミン(DSt)の併用前後のS1-S2間隔とFAA発現の関係を検討したところ, ACh+DSt後にはコントロール時の不応期以下のS1-S2間隔で, その短縮につれFAAの発現頻度と程度が急速に増加した. AChは不応期を短縮すると同時に, 主として細胞間結合の不均一性を増加することにより, 早期興奮の著しい伝導遅延や迂回をもたらし, 細分化を生じやすくすると推測された. 「I. はじめに」 著者らは先に, 健常イヌ心房自由壁においても早期興奮では細分化心房電気活動(Fragmented Atrial Activity:FAA)を認めることがまれでないことを報告した1). このFAAは心房細動の発生・維持に関与する可能性のあることが以前から多くの臨床的報告により示唆されている2)~10). |
---|---|
ISSN: | 0285-1660 |
DOI: | 10.5105/jse.24.40 |