十二指腸gastrointestinal stromal tumor楔状切除術後長期生存の1例

「要旨」 症例は50歳女性. 黒色便と胃痛を主訴に受診, 内視鏡検査で十二指腸に粘膜下腫瘍性病変を認めた. 超音波内視鏡検査では内部に高エコー部が点在する低エコー腫瘤であった. 同腫瘤はCT検査で血流豊富な5cm大腫瘤として腹部大動脈右側に, MRI検査ではT2強調画像で高信号を呈し, 大動脈左側に描出された. 腫大リンパ節や肝内占拠性病変は認めなかった. 基部が細いgastrointestinal stromal tumor(以下, GIST)で出血源と判断した. 開腹すると腫瘤を水平脚に認め, 基部は約1cmであった. 腸管短軸方向に自動縫合器を用いて楔状切除術を施行した. 腫瘤は最大径5...

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Veröffentlicht in:島根医学 2013-12, Vol.33 (4), p.192-196
Hauptverfasser: 山口恵実, 内田正昭, 槙野好成
Format: Artikel
Sprache:jpn
Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:「要旨」 症例は50歳女性. 黒色便と胃痛を主訴に受診, 内視鏡検査で十二指腸に粘膜下腫瘍性病変を認めた. 超音波内視鏡検査では内部に高エコー部が点在する低エコー腫瘤であった. 同腫瘤はCT検査で血流豊富な5cm大腫瘤として腹部大動脈右側に, MRI検査ではT2強調画像で高信号を呈し, 大動脈左側に描出された. 腫大リンパ節や肝内占拠性病変は認めなかった. 基部が細いgastrointestinal stromal tumor(以下, GIST)で出血源と判断した. 開腹すると腫瘤を水平脚に認め, 基部は約1cmであった. 腸管短軸方向に自動縫合器を用いて楔状切除術を施行した. 腫瘤は最大径5cmで組織学的にGISTと診断, 切除断端陰性, 核分裂像1/高倍率50視野未満で中間リスクであった. 術後6年で再発徴候なく, 楔状切除術も有用な術式のひとつと考えた. 「はじめに」 十二指腸では, 腫瘍径2cm以上のgastrointestinal stromal tumor(以下, GISTと略記)を疑う粘膜下腫瘍に対し, 積極的外科治療が推奨される1).
ISSN:0559-829X