夫婦間の愛情関係と夫・妻の抑うつとの関連 : 縦断研究の結果から

本研究は,夫婦間の愛情関係と抑うつ傾向との関連を検討するために,縦断研究のデーターを用いて実施された.325組の夫婦を対象に郵送によって質問紙調査を行い、夫婦間の愛情関係と夫婦それぞれの抑うつ状態を測定した.その結果,両者には有意な関連が認められ,愛情関係が希薄であると抑うつ傾向が強まった.そして,夫の場合も妻の場合も先行する時点における「妻から夫への愛情」が,その後の夫と妻の抑うつ傾向に影響を与えていた.さらに,夫婦間の愛情関係の組み合わせによって4つのグループ(相思相愛型,妻片思い型,夫片思い型,愛情希薄型)に分類し,グループによって,その後の夫と妻の抑うつ傾向に違いがあるかを検討したとこ...

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Veröffentlicht in:性格心理学研究 2003/03/27, Vol.11(2), pp.61-69
Hauptverfasser: 小田切, 紀子, 菅原, ますみ, 北村, 俊則, 菅原, 健介, 小泉, 智恵, 八木下, 暁子
Format: Artikel
Sprache:jpn
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Online-Zugang:Volltext
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Beschreibung
Zusammenfassung:本研究は,夫婦間の愛情関係と抑うつ傾向との関連を検討するために,縦断研究のデーターを用いて実施された.325組の夫婦を対象に郵送によって質問紙調査を行い、夫婦間の愛情関係と夫婦それぞれの抑うつ状態を測定した.その結果,両者には有意な関連が認められ,愛情関係が希薄であると抑うつ傾向が強まった.そして,夫の場合も妻の場合も先行する時点における「妻から夫への愛情」が,その後の夫と妻の抑うつ傾向に影響を与えていた.さらに,夫婦間の愛情関係の組み合わせによって4つのグループ(相思相愛型,妻片思い型,夫片思い型,愛情希薄型)に分類し,グループによって,その後の夫と妻の抑うつ傾向に違いがあるかを検討したところ,同様に「妻から夫への愛情」が,夫婦それぞれ抑うつ傾向に影響を与えていることが確認された.そこで,このような結果となった背景について,家庭における夫婦の役割の観点から考察した.
ISSN:1345-3629
2432-695X
DOI:10.2132/jjpjspp.11.2_61